9/8の夜、モロッコ中部で大きな地震が起き、多くの人々が亡くなられた。怪我をされた方もかなりの数に上り、住む家を無くされた方も多数いらっしゃる。今後が心配だが、まずは、お亡くなりになった方々に、この場を借りて心から哀悼の意を表したい。
地震の一報が入ってきたとき、私は湯沢にいた。「現地のスタッフたちは大丈夫だろうか。9月も予約が入っていたはずだ。果たしてツアーができるのだろうか」と諸々の不安が頭をよぎった。コロナ禍を3年間耐えて、現地も弊社も苦境をようやく出しつつあるのに、ここで大きな地震に見舞われるとは運がない。
モロッコ担当に確認すると、9/21出発で11名のツアーが予定されおり、コロナ禍後、モロッコとしては初めて添乗員が付くと現地も張り切っていた。急ぎ KAZE VOYAGE MOROCCO(KVM)の代表・ラシッドに、マラケシュの様子やツアーで通る道路の状況を確認してもらった。「大丈夫です。一部、ホテルの変更が必要ですが、全く問題ありません」と元気な返事が返ってきた。今後のツアーも実施できることが判り私たちも安堵している。
それにしても、地震が起きる度にマスコミ報道には疑問が湧く。街の殆どは被害もなく通常通り生活が営まれているのに、被害の酷い箇所だけ何回も繰り返し映し出される。今回もマラケシュ旧市街地で、建物のレンガが崩れた様子が繰り放映されている。まるでマラケシュ全体が壊滅したかのような印象を受ける。
しかし、通り一つ隔てた大通りでは普通に生活が営まれ、車も普段通りに走っている。確かに山間部では大きな被害が出ているから、大災害には違いない。しかし、マスコミが流す情報は、実際のモロッコの姿は伝えていない。あの崩れた旧市街地のすぐ近くにあって、マラケシュの観光では誰しもが訪れるフナ広場も、通常通りで露店が並び観光客で溢れているというのが実際である。
報道からは本当の姿が見えてこないので、現地でフナ広場などの動画を撮って送ってもらった。この映像を見る限り、地震があったことすら解らない。
私ども観光業に携わる者にとっては「普段通りです」というニュースこそが価値がある。地震で現地が大変な状況なのに観光なんてとんでもない、という考え方もあるが、現地の実際の姿を把握し、冷静にご判断をしていただきたい。
ネパール大地震のときもそうだったが、お客様に現地に行っていただくことこそが、最大の現地支援になると私たちは信じている。