パラリンピックにしかない競技が2つある。ボッチャとゴールボールだそうだ。9/9にトラベル懇話会の夏季セミナーが湯沢で行われ、廃校になった小学校の体育館をお借りして20名ほどの会員でボッチャを体験した。参加者中2名を除いて初体験。どんなゲームかもわからないしルールなど知る由もない。
そこで、日本ボッチャ協会の三浦裕子事務局長と、新潟県のボッチャ協会設立準備会の方2名に来ていただきご指導いただいた。三浦事務局長には翌日、ご講演もお願いした。使うボールは赤と青の2色のボールが各6個、白いジャックボールが1個で合計13個。どのボールもソフトボールくらいの大きさで、サッカーボールのような縫い目があり少し重くて少々柔らかい。高く投げ上げればボトッと落ちて転がらない。
ルールはほぼカーリングと同じで、ジャックボールという白いボールに1チームが6球ずつ投じてジャックボールに近い方が勝ちとなる。負けたチームの一番ジャックボールに近いボールとジャックボールの間にある勝ったチームのボールの個数が点数となる。個人戦の他にペア戦、団体戦(3人一組)があり、且つ、障害の程度によりBC1~BC4の4つに分かれている。
カーリングとの違いは、ボールは2チームが交互に投げるのではなく、ジャックボールに遠いチームが投げることである。何回投げても遠ければ連続して投げることになるので、場合によっては、6球続けて同じチームが投げることもある。片方のチームが持ち球の6球を全て投げ終わると、対戦相手が残り球を投げる。
この時、負けていれば何とか自球をジャックボールに相手チームより近づけようとするし、相手ボールがジャックボールにくっ付いているなら、ボーリングの様に勢いよくボールを転がし、ジャックボールの周りにある相手球に当てて崩し、逆転を狙うなどということもやる。
勝っていれば、点数を増やすために、ジャックボールに一番近い相手のボールより内側を狙うが、下手に欲張るとジャックボールの周りのボールを動かして自救より相手球をジャックボールに近づけてしまい、逆転負けを喫することもある。そういう時は欲張らず、戦局に関係のない場所に投げてやり過ごす。
もう一つ、カーリングとの大きな違いは、先行がジャックボールを投げるので相手チームや味方チームの戦力に合わせて、ジャックボールの位置を選択できることである。しかもジャックボールを動かしても構わないので一発で逆転も起こりうる。
この日は、5人1組で4チームに分かれて団体戦を行ったが、三浦裕子さんは、始める前に「どうやったら勝てるかをチームで相談してください」。とおっしゃった。試合後、三浦さんの講評では「ボッチャは、チーム内のコミュニケーションが大切。戦略を相談するというより、相互の信頼や一体感がコミュニケーションで生まれたチームが勝つように思います」なるほど、このゲームはチームビルディングに最適だ。
そしてこのゲームの素晴らしさは、老若男女だれでもできることだ。この日も30代から80代まで一緒に楽しんだ。しかも、運動能力が高そうなチームが勝つとは限らないから面白い。一見、運動能力や年齢に差があってもジャックボールをコートの近い場所に置けば、運動能力差を帳消しにできる。いやはやボッチャのあまりの面白さに驚いてしまった。
(つづく)