北インド・ラダックに曼荼羅の秘仏を訪ねる
9世紀半ば、チベット高原では廃仏の嵐が吹き荒れ、仏教が廃れてしまいました。そこで10世紀末、西チベットで仏教再興を目指したグゲ王イェシェウーは仏教先進地(当時)カシミールにリンチェン・サンポを始めとする留学僧を送りました。こうして、彼らの活躍により西チベットに再び仏教文化が根付き、多くの僧院が開かれ、仏教美術も花開いたのです。この時代に花開いた仏教美術は「後期密教」と呼ばれ、多くの土着の神々や仏を取り込み、多様な曼荼羅を生み出しました。
インド領になったことで文革などによる破壊を免れた、貴重な仏教壁画(曼荼羅)や仏像が数多く残されているラダックを、仏教美術の専門家である川﨑先生のご案内で訪れ、その背景や理論を学びつつ、心行くまで鑑賞します。(壁画の撮影を目的としたツアーではありません。長時間一カ所に留まっての撮影はご遠慮ください。)
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添乗報告記●ラダックの秘仏大公開!
川﨑一洋さんと往く・仏教美術巡り(2010年7月)
関連読み物
仏教美術の宝庫 ラダックに曼荼羅を訪ねる
現役住職にして仏教美術研究家
川﨑 一洋 (かわさき かずひろ)
昭和49年、岡山県生まれ。高野山大学博士課程修了。博士(密教学)。現在、高野山大学特任教授、四国八十八ヶ所霊場第二十八番・大日寺住職。密教の曼荼羅を中心に、アジア各地の仏教美術、仏教儀礼を研究。ネパールやチベットの各地でフィールドワークを重ねる。
著書:『四国「弘法大師の霊跡」巡り』(セルバ出版)、『弘法大師空海に出会う』(岩波新書)
共著:インド後期密教(上)(春秋社) 第1章担当
インド後期密教(下)(春秋社) 第6章担当
故郷ラダックを日本語で紹介する現地ガイド
スタンジン・ワンチュク
日本語でラダックの歴史や宗教を語れる数少ないラダック人ガイド。 ラダックの最奥の地ザンスカールのリジン村出身で、ザンスカールの王家とは親戚筋。 デリー大学オーロヴィンド校、政治学部卒。 学生時代は、里帰りの度に「雪の回廊」チャダル・トレックを歩き、その経験を生かしてツアーガイドの仕事を始める。その豊富な経験と人脈で「風のラダック」を支えてくれています。