同窓会

来年、「卒業50周年記念同窓会」をやるという連絡があった。前年に、ひとつ上の学年の記念同窓会のお世話をするのが決まりになっていて、地元で事務局を担っている同級生から2記念誌を編集するから、その広告を出してくれという連絡だった。もちろん喜んで応じた。

もう、高校を卒業して来年で50年が経つのかと思うと妙な気分になる。大層な年月に感じるが、年齢的にはまだ68歳である。老け込む年齢ではない。まだ普通に毎日働いているものも多いし、毎日ではないにしても週に3日くらいは働いているという同級生が大勢いる。もう10年後の60周年くらいなら何とか集まれそうだが、80歳を超えたら集まれる人数も激減するに違いない。私自身も、自信はない。

そう、残された時間はそんなに長くはない。先日、同年配の連中と飲んだら “これからどうする?” という話になった。みんなまだ働いているが、そろそろ引退を皆考えている。やはり70歳が一つの区切りということだろう。

問題は、その先である。やりたいこととして1番先に上がったのは、やはり旅行である。物はいらない。しかし、始終旅行しているわけにもいかない。疲れもするだろうし、たまにするからいいのであって、美味しいものも毎日食べれば飽きるように、過ぎたるは及ばざるが如しとはこのことだ。飽きてしまっては何にもならない。旅行は、一生の楽しみとしたい。

次が趣味だ。先日、20年近く業界の仕事を一緒にしてきたH氏がこの3月に退職するというので一杯やった。電車の模型を集めるのが趣味だそうだ。そんな値段の模型があるのかと、その値段にも驚いてしまったが、模型の細部やその違い、価値について語る姿をみて、“幸せとはこういうことをいうのかもなあ” と思った。羨ましい限りである。

私の従叔父は、葬儀の折に従叔母が話していたが、会社経営を引退してからは会員となっている飯能のゴルフ場にほぼ毎日行っていたそうだ。そんなにゴルフばかりしていて飽きないものかと不思議でならないが、そこまでできたら幸せだと思う。これまた羨ましい。

「私の本業は合唱の指揮者です」 先日、そんな風に中堅の旅行会社の社長さんにいわれたので、「社長業は副業ですか?」 と突っ込んでみたら「もちろん本業ですが、3月に退職しますので、これからは指揮者が本業です。ふたつの合唱団の指揮をしていて、今度、もうひとつ増えるんです」と目を輝かせて嬉しそうにおっしゃっていた。いやはや、本当に羨ましい。

私のように無趣味ではどうにもならない。諸々かじってはみるが、どれもこれも中途半端である。そもそも性格的に何かにのめり込むということがない。これでは趣味の世界は極められない。したがって満足もできない。

やれやれどうしたものか。今から、無理やり趣味など作ってもきっと同じことの繰り返しだろう。ひとつだけやりたいことがある。それは、皆さんのようないち旅行者になることである。海外、国内問わず、ゆっくりあちこち回ってみたい。そういう旅をしながら考えても遅くはないだろう。焦る必要など全くないのだから。

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