【開講記】水辺をめぐる小さな旅 ●島民目線の江の島歩き

講座名:水辺をめぐる小さな旅 ●島民目線の江の島歩き
開講日:2024年04月13日(土)
報告者:中村昌文

眞鍋じゅんこさん&鴇田康則さんと歩く 水辺をめぐる小さな旅 とは

東京湾に流れ込む幾筋もの大小河川、街がかつて村であった証拠の用水路やその暗渠、そして池谷湧水など、水辺は身近な「自然」のひとつであり、人の生活に密接に関わってきました。その歴史や暮らしをたどりながら心地良い水辺を歩きます。

島民目線の江の島歩き

今回のお目当ては「相模湾にぽつんと浮かぶ小島、江の島。昭和の色濃い観光地ですが、じつは江戸の昔から江島神社の参拝客でにぎわった聖地でもあります。当時からの住人さんにも島暮らしの話を聞きながら、住民目線で歩いてみましょう。魚料理や絶景の茶店で休憩など、のんびりと島を楽しむ一日」、ということで、江ノ電江ノ島駅に集合です。

江ノ島駅(江ノ電)

集合場所は江ノ電の江ノ島駅

まずは、江ノ島駅の近くにあるしらす漁師が自ら加工販売も行っているお店を訪ねます。
お店の中にも外にも今朝とれたてのシラスが並びます。

しらす漁師さんの加工場

しらす漁師さんの加工場

普通ならお店でシラスを買って、家で食べて「美味しいね」で終わるところですが、この講座では生産者さんの声を直接伺えるのがポイント。『散歩の達人』などの雑誌の取材で丹念に漁師町を歩き、地元の方としっかり関係性を築いている眞鍋さんと鴇田さんが同行するからこそなのです。
作業風景、シラスを干している屋上などを見学させていただき、ご主人のお話を伺います。

お話をうかがいます

お話をうかがいます

いわゆる「湘南しらす」は主にカタクチイワシの稚魚のこと。この地域では漁場と加工場、消費地が近いので鮮度が高く、漁師が自ら加工する6次産業化が進んでいるので、しらす漁師として組合加入者の数は近年増えているんだそうです。高齢などで一度は漁をやめた漁師さんから漁業権を譲りうけて新たに就業する漁師もいるほどだとか。確かにお店も、周辺も活気があります。釜揚げしらすと、干したちりめんじゃこを味見をさせていただきました。釜揚げしらすはほのかな塩味とふっくらとした口当たりが絶品。今朝取れたばかりのしらすを3時間ほど干したというちりめんは、うま味が濃縮されてこれまた絶品。ごはんが欲しくなりました。

朝採れの生しらす

朝採れの生しらす

茹でたて釜揚げしらす

茹でたて釜揚げしらす

天日に干されたシラス

天日に干されたシラス

お昼はこのしらす漁師さんがシラスを卸しているという食堂で、生しらすや釜揚げしらす、そしてお刺身などを頂きました。(料金は各自払いです)

午後はいよいよ、江の島大橋を渡って江の島に上陸です。

地下道をくぐって江の島大橋へ

地下道をくぐって江の島大橋へ

江の島大橋からの富士山

江の島大橋からの富士山

江の島は源頼朝が奥州平定の先勝祈願をしたのが始まりと言われ、鎌倉時代から武士たちに厚い信仰を集めていました。江戸期には大山詣でと組み合わせて江戸の庶民に人気の観光地として賑わいました。そんな江戸時代からこの地で商売をしているという、江島神社の参道のお店を訪ねてお話を伺いました。

参道のお店でお話を伺います

参道のお店でお話を伺います

江島神社の参道ではすべての家が1階を店舗にしなくてはならない協定を結んでいて、自分で商売をしない家も店舗として貸し出しているそうです。こちらのお店はお土産物屋の他、伊勢海老、アワビ、サザエなど水産物の仲買のほか料亭もやっているそうで、板前さんの作った塩辛や干物などの加工品などが目玉商品だそうです。

込み合う参道

込み合う参道

大混雑の参道を少し脇に逸れると、かつての漁師町が残っています。

漁師町へ続く地元民の路地

漁師町へ続く地元民の路地

昔はこの道あたりまで海岸線で、このあたりは漁師町だったんですよ。それが1回目の東京オリンピックで埋め立てて造られてヨットハーバーができて・・・という話をしていたところ、突然、一軒の民家の前で眞鍋さんが「〇〇さん、いる~?」と叫びます。「おーいるよー。ドア開けてはいっていいよー」と返事がします。

突然のインタビュー

突然のインタビュー

ドアの向こうには大柄で声も大きな〇〇さんが。
「ちょうどよかった、〇〇さんは東京オリンピックの時にヨットハーバーで働いていた方で、当時のことをよく知っている方なんです。色いろとお話を聞かせてもらいましょう!」と予定に全くなかったインタビューが始まります。
同行スタッフとしては予定時間が気になりますが、こんなハプニングこそがこの講座の醍醐味です。参加者の皆さん、誰も文句を言うこともなく、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。江の島には誰でも行くことができますが、講師の人脈で地元の方の興味深いお話を伺えるのがこの講座の「肝」なのです。

かつての聖天島

かつての聖天島

かつて島だったという聖天島の公園を訪ねたら、押せ押せになった時間を気にしながら、「エスカー」で江の島の頂上へ。参道をすっ飛ばして休憩予定のお茶屋さんへ。ずっと立ちっぱなしで話を聞いていたので皆さん少々お疲れだったので丁度いい休憩です。かき氷や、名物の焼きハマグリで疲れを癒します。

かき氷でひとやすみ

かき氷でひとやすみ

お茶屋さんで講師からの解説を聞いた後は、来た道を戻って山の上の参道や奥津宮を歩き、名物の海苔羊羹を売っている羊羹屋を冷やかし、参道の鳥居まで下って解散です。
お土産の生しらすや釜揚げしらすで皆さん美味しい夕飯や晩酌を楽しんだことでしょう。次回も楽しみです。

次回講座はこちら

眞鍋じゅんこさん&鴇田康則さんと歩く

終了講座 水辺をめぐる小さな旅 第2部(全3回)

出発日設定2024/04/13(土)~全3回
ご旅行代金6,600円~18,000円
出発地小田急線・片瀬江ノ島駅集合、東武鉄道伊勢崎線・堀切駅集合、都営新宿線・東大島駅集合、

埋め立てたヨットハーバー

埋め立てたヨットハーバー

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