先週、「バーチャルオフィスの実験をしてもいいですか」と大阪支店長に聞かれた。4月から、ご主人の仕事の関係で大阪から静岡に引っ越したスタッフがいる。本人も働き続けたいし会社としても是非続けてほしい。通勤は無理だが、テレワークなら可能だ。
しかし、コミュニケ―ケーションが不足し孤立するのではと心配になる。テレワークだと、電話を使おうがZOOMだろうが、「さあ、話しましょう」と改まらないとコミュニケーションが取れない。実は、ちょっと質問や、相槌、雑談が人と人の間を繋ぐ潤滑油だったのだ。同じ事務所で互いに顔をつき合わせながら働くことで無意識に獲得されていたアイデンティティーが孤立感を防いでいたのである。
実は、もう随分前だが同じような事情で、四国でサテライトオフィスと銘打って雇用を継続してくれた女性スタッフがいた。しかし、1年ほどして「地域の中で仕事を見つけます。といって退社していった。当時は、ZOOMもなくメールと電話しかなかったし、多様な働き方を、会社も社会も受け入れていく土壌がなく、退職も仕方がないという受け止め方だった。今から思えば残念至極である。
孤立を心配した元上司の大阪支店長が、バーチャルオフィスなら雑談もできるし孤立感に陥ることもないのではと考えた。私は、即座にOKを出した。もちろん今は実験である。しかし、そんなに違和感はない。もしかしたら、多くの矛盾を解決してくれるかもしれない。期待してみよう。