『屋久島=ヤクスギだけじゃない!』世界遺産の核心をつく森歩きツアー
「縄文杉だけの島だと思って来てみたらとんでもない、それどころではありません、予想外の面白さ、素晴らしさをいくらでも見せてくれる島だったんです」こういわれた屋久島の関係者は皆、共感をもって深くうなづくことでしょう。このツアーの担当である私、小原も、35年この島に暮らして飽きるということがありません。いったいこの魅力は何なのでしょうか。
30年前、この島は世界遺産に登録されました。その理由は「森林とその景観が圧倒的に素晴らしいこと、そして屋久杉を含む多様な自然が連続して残されていること」でした。多様であること。それは健康で興味深い自然生態系が万華鏡のようにさまざまな姿を見せながらこの山岳島を覆っているということです。おそらくここに答えがあるはずです。
今回はこの島の中で知る人ぞ知る魅力にあふれた場所をご紹介します。その中心となるのは屋久島の暮らしを包んで来た照葉樹の森、なかでも国内で最大の面積が残された世界遺産西部照葉樹林です。巨大なガジュマルや繁茂するつる植物など熱帯雨林を思わせる快適な森の中では、自然のままのヤクシマザルやヤクシカ、そして鳥たちや昆虫の生活が垣間見られ、生きものたちの繋がりとはなるほどこういうことだったのかと、教えてくれます。
この森は山に沿って高度を上げると時期に雲霧のかかる標高に達し、コケに護られて成長するあのヤクスギの森へと連続します。どの巨木も生態系の子供であり、すべては関係性の中にあることが腑に落ちる。屋久島はそんな経験ができる島です。
屋久島大学では、知られざるその魅力を際立たせてみたいと、この企画を作りました。屋久島の本格的な魅力の一端に、触れてみませんか?
このツアーは、観光庁実証事業のモニターツアーです。ツアー終了後、アンケートご回答にご協力いただきます。専門家同行料金など事業予算から補助をされていますので、お得にご参加いただけます。
屋久島アカデミー代表
小原 比呂志 (おはら ひろし)
一般社団法人屋久島アカデミー代表理事 屋久島大学専属講師
北海道出身。1987年屋久島に移住。日本のエコツアーガイドの草分けYNACの創立メンバー。NHKドキュメンタリー「伝説の超巨大杉を追う」捜索隊長。『ダーウィンが来た!』『ブラタモリ屋久島編』に解説者として出演。著作に「屋久島のコケガイド」、「屋久島オープンフィールドミュージアムガイドブック」、「屋久島の歴史ガイド」、「屋久島の民俗ガイド」がある(いずれも共著)。