添乗報告記●キルギスを食べつくせ!食文化体験7日間(2024年9月)

ツアー名 ● キルギスを食べつくせ!食文化体験7日間
2024年9月15日~9月21日
文・写真 ● 中坪聴子(大阪支店) ※一部お客様撮影

キルギスの食を楽しむなら果物の美味しい9月がおすすめ!ということで、シルクロードの食文化の伝道師Silk Road Kitchen AYAさん(外部リンク)同行で企画したツアー。多くのお客様にご予約をいただき、添乗員として同行することになりました。

キルギスのホームステイ先でトイ(ホームパーティ)のご馳走。これは前菜です。

 合言葉は「残す勇気をもちましょう!」

出発前のオンライン説明会で、みなさまにお願いしたのは「食事を残す勇気を持ちましょう!」。キルギスの家庭では、家族が多いこともあり、料理の量が多いことがしばしばあります。また、今回は食がメインテーマのツアーということで、様々な料理を召し上がっていただく予定もあり、最終日まで体調を崩さず完走するためには、食べすぎないことが、とても大事です。料理が残っても、ご家族や親戚、ご近所の皆様が、後で召し上がるので安心して残していただくように、そして、万が一のために、胃薬、整腸薬の持参もお願いしました。

 キルギスの伝統的な文化を大切にするレストラン「SUPARA」で昼食

ビシュケク近郊のレストラン「スパラ」

キルギスでの1食目は、ビシュケク近郊にあるスパラ(SUPARA)というレストランです。こちらのレストランは、キルギスの伝統的な文化を大切しており、提供される乳製品は全て地元の牧畜家から仕入れるなど食材を厳選ししており、また伝統に忠実な料理を、できるだけ自然の素材を駆使した伝統的な空間で食べる、というコンセプトのレストランです。

ビシュケク近郊にあるスパラ(SUPARA)レストラン


 

 メニューの一例 
コシュコンマイ(大麦、ハチミツ、バター)
ジャルコップ(肉と野菜の炒め蒸し)
ベシュバルマック(手打ち麺と茹で汁と馬肉)
ジャルマ(大麦発酵飲料)


大麦、ハチミツ、バターでできた「コシュコンマイ」

肉と野菜の炒め蒸し「ジャルコップ」

 


馬肉のベシュバルマック(手打ち麺と茹で汁と肉)

ジャルマは、大麦発酵飲料

 

どの料理も丁寧な調理と、味わいで大満足の1食目となりました。特に馬肉のベシュバルマックは、3種類の麺の切り方で提供され、麺の切り方によって味の感じ方に違いがありとても感心しました。

 トクモクの民家での宴(トイ)の夕食

家族の宴(トイ)に参加 キルギスvs日本の歌合戦中

 メニューの一例 
前菜盛り合わせ
牛肉のドゥンダマ(肉と野菜の蒸し焼き)
マントゥ(中央アジアの蒸し餃子)
チャクチャク(揚げた小麦粉に生地の練乳がけ)

テーブルいっぱいの手料理に感激

牛肉のドゥンダマ ジャガイモほくほく、キャベツとろとろ 肉じゃがのような家庭の味です

マンティの美しさったら!どれだけ包むのが難しいか、のちほど知ることになります

トクモクの民家では「トイ」というホームパーティに参加しました。1か月前に結婚した初々しい花嫁さんが料理を運んでくれたり、途中でみんなでダンスタイム(お腹を空かせるため?)が入ったり、最後はキルギスvs日本の歌合戦になったりと盛りだくさんの内容でした。美味しいたくさんの料理は、マダム2名で料理したと聞き、びっくりです。

 トクモクの民家にて朝食

搾りたての牛乳は貴重です

朝食は、搾りたての牛乳で作ったミルクティーに、産み立ての卵で作った目玉焼き、そして自家製のカイマックです。カイマックは、生乳から乳脂肪分を集めた柔らかいペースト状の乳製品です。味はバターよりももっと軽い味わいで、これがとても美味しいのです。このカイマックに自家製ナンに自家製ジャム(自家製だらけ)をつけるて食べると、悶絶中の美味しさに!いくらでも食べれてしまう「ヤバイやつ」なのです。


搾りたてのミルクティー

産み立ての卵で作った目玉焼き

 

自家製カイマックはナンにつけて食べると絶品!

絞った牛乳を買い取りにくる業者さんが、ホームステイ先にもきていましたが、通常絞ったミルクは保存食にしたり、現金収入のために売ったりするため、牛乳やミルクティーとして飲むことはとても貴重だそうです。

家庭をまわって絞った牛乳を回収します

 東からやってきた麵料理

カラコルの聖三位一体教会

カラコルはイシククル湖の東端に位置し標高が1,700mほどあります。天山山脈の最高峰ポベタ(7,439m)への登山口でもあるこの町は、もともとロシア人やウクライナ人たちが築き、その後中国から回族(ドゥンガン人)やウイグル人が移り住んだ町としてしられています。そんなカラコルの名物がアシュリャンフーという麺料理です。

東からやってきた冷たい麵料理アシュリャンフー

このアシュリャンフーは小麦粉の麺の上に、ジャガイモのデンプンで作ったゼリー状のゼリーのようなものをのせて食べます。酸味と唐辛子の辛みのあるスープが食欲をそそります。日程ではカラコルに到着してから、アシュリャンフーの昼食だったのですが、道路工事の影響もあり時間がかかったために急遽途中のローカルレストランで昼食となりました。が、このローカルレストラン、地元の方で賑わいテイクアウトも多い、人気のお店だったのです。アシュランフーの他に小さな餃子が入ったスープ「チュチュワラ」と中央アジアのうどん「ラグマン」の汁あり、汁なしをオーダーし、みなさんで味見をしていただきました。

左:チュチュワラ、右;ラグマン

 プロフにはウズゲンで採れた赤米を

バザールに並ぶ赤米

中央アジアの米料理で有名なのがプロフです。プロフは油で炒めたニンジンや羊肉の中に、水と米をいれて炊き込む、炊き込みご飯です。そのプロフで使うお米にも色々な種類があるのですが、中でも高級米とされているのがウズゲンで採れた赤米です。ウズゲンはキルギスの東部、ウズベキスタンのフェルガナのオシュ近郊で天山山脈からの雪どけ水が流れる水に恵まれた地域でもあり、稲作に適した場所でもあります。

赤米のプロフ 米粒に赤い筋が1本入っているのが見えます。

ニンジンもたくさん使うのですが、プロフには黄色のニンジンを使います。プロフは宴会などにも出される料理でもあり、大鍋で家長が自らプロフを作ることでお客様への最大のおもてなしを表すとのことです。

 建てて建てて

ユルタの組み立てにチャレンジ

4日目に滞在したクズルトゥー村は、ユルタを作っている村です。ユルタとは移動式住居でモンゴルではゲル、中国ではパオと呼ばれています。どのような部品で作られ、どうやって建てるのか、今回はみなさんで組み立てにチャレンジしました。


しっかり固定することが肝心です

完成までもう少し

青空の中、リンゴの木の下で、建てること約1時間、出来上がったユルタの中で美味しいお茶をいただきました。

 刻んで刻んで、包んで包んで

マンティ作りの達人方からレクチャーを受けます

ユルタが完成し、戻ってきたらマンティ作りの包み作業が待っていました。先に刻んでおいた材料をいよいよ包んでいきます。このマンティが私たちの夕食になるので一致団結して作業を続けます。

先に刻んだおいた材料 細かく刻むのがポイントです

包み方 こちらが簡単なほう

包み方は2通りあり、写真は簡単な包み方なのですが、なかなか難しいのです。ポイントは中指を使って生地を押し込むのですが、「うーん、うまくできない」と苦戦していたら、「それは、人差し指」との声が!指を間違えるなんて、料理以前の問題でした。

出来上がったマントゥ。どれがお手本かは一目瞭然

 最期はお腹いっぱいまで羊肉

羊肉をたらふくいただきます

最終日はビシュケク市内のレストランでシャシリク(肉の串焼き)です。この日まで量をセーブしていた方も最終日ということで解禁です。牛肉、鶏肉、羊肉の3種類でしたが、ここでは羊肉が断然お勧めです。中でも骨付きが絶品!!!キルギスの羊は臭みもなく食べやすいので、羊肉が苦手な中でもトライしていただけることでしょう。美味しさの秘密の1つに、放牧を基本をするグラスフェッド(牧草飼育)だからという理由もあるそうです。

オシュバザールのナン

ここには、書ききれないほどの料理を堪能し「キルギスを食べつくせ!」にふさわしい7日間となりました。2025年に第二弾を計画中ですので、ぜひご参加くださいませ!

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コメント一覧

経験豊かな中坪添乗員と中央アジアの文化と料理研究家のAYAさんのおかげブラス旅の猛者たちと過ごした7日間は、とても充実してキルギス文化と食生活や女性の生き方までも考えさせられた旅でした。ただ一途にキルギスに再訪したい思いだったのが、更にウズベキスタンやカザフスタン、タジキスタンなどの中央アジア方面へも旅を広げたい、つないでいきたいと思いへと昇華しています。

原田美由紀2024.10.09 09:14 am

原田様 コメントありがとうございます。活動的な原田さんから、学ばせていただいたことがたくさんあった7日間でした。ありがとうございました。中央アジアには面白いところがまだまだあります。キルギス食文化旅も来年第二弾を計画しておりますので、またご一緒できる日を心待ちにしております。中坪

スタッフの声2024.10.09 10:13 am

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