変化と反復

石破さんが防衛庁長官になった2002年、テレビで石破長官のインタビューを拝見した。戦闘機や軍艦のプラモデルを作るのが趣味だと嬉しそうに話していたのを今でも思い出す。「おいおい、こんな人で大丈夫なのか?」と正直、不安なった。

先月9月27日、石破さんは、自民党の総裁選決選投票でまさかの大逆転勝利。10月1日、102代内閣総理大臣に就いた。利上げ是認、アベノミックスの修正派と目されていたから、株は暴落し円高が一挙に進んだ。しかし、「当面は利上げの環境にない」と利上げを事実上否定しいたために、今度は、株は上がり大幅円安が進んだ。大きな流れは、利上げ円高だとは思うが、その時期が、あまり遅いと弊社は大きな影響を受ける。米国の利下げとともに目が離せない。とはいっても私の手が届くことではない。

それにしても、政治の世界は筋書きのないドラマ・駆け引きである。当事者もどう転ぶか最後まで分からない。権力闘争は醜くもあるが、これに勝てない人はトップには立てない。自民党だろうが野党だろうが同じではなかろうか。会社だって政治の世界ほどではないにしろ、そんなところがある。

Netflixで 「MARCO POLO」というドラマをやっている。マルコ・ポーロがフビライ・ハーンの下で成長していく姿を描く。但し、フビライの存在感が大きく、モンゴル帝国を治めるその苦悩がストーリーのもう一つの大きな柱になっている。史実とはかなり違うと思うが、妙にリアルで、モンゴル人の考え方が垣間見られて面白い。もちろん、現代の政治闘争とは全く違う。しかし、どう転ぶか最後まで分からないところは同じである。

人間は「反復」を快いと感じるという。政治家も権力者もそういうことはなさそうだ。むしろ変化を好むだろう。何回か、この稿で書いたが、私は最近、“今日も昨日と同じことができる”ことに素直に感謝できるようになってきた。やはり、反復は人に安心感を与え心地良さを齎す。こう言うと、私のことを生気がなくなった老人のように思われるかもしれないが、そうではない。心の持ちようが変わったのである。そして、これからの10年をどう生きるか必死に考えている。夢中になって反復できることを見つけたいものだ。

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