シルクロードから1枚の写真が届きました。
新疆ウイグル自治区博物館にある展示写真です。
お客様から「景教(ネストリウス派キリスト教)に関係するものが見たい」という希望があり、西安の博物館にある「大秦景教流行中国碑」が最たるものかと思うのですが、現在、そこが工事中で実物が見られない。そこでほかに何かないかを調べてもらっていた関係で、送ってくれました。
トルファンの高昌故城から発掘された壁画で、右手の3人が持っているのは本来『棕櫚』の枝で、キリストをエルサレム入城を記念して信者が枝を持ってミサに集まる様子だとか。ただ、新疆には棕櫚がないので、あの羊串焼きにも使われるタマリスクの枝かもしれません。
残念ながら、本物は、今ドイツに保存されてるそうです。20世紀初め、スタイン、ヘディンや大谷探検隊を含む世界中が中央アジアに注目していたころに、ドイツの考古学者ル・コックがトルファンで発掘し持ち帰ったもののようです。
時は現代、トルファンで1つ遺跡の発掘が進んでいるとZ氏が記事を送ってくれました。それによると、トルファンの火焔山麓の葡萄溝にその遺跡はあり、古代シリア文字の書や、葡萄の種の入った大きな陶器が発見されたとか。どうやら景教の修道院で、図書館やワイン工房を併設していた可能性があるそうです。将来は博物館を立てて公開することを考えているそうです。西安の博物館再開と、トルファンの遺跡の公開が待ち遠しいです。