【開講記】暮らしの”くすり塾”-東秩父村-おなじみ七味唐辛子

江戸時代には薬効が期待され、現在では台所に欠かせない調味料となっている「七味唐辛子」。
今ではスーパーで購入でき、コンビニやネット通販でも手軽に購入できますが、今回の講座、「暮らしの”くすり塾”-東秩父村-おなじみ七味唐辛子」では東秩父村の特産物を調合し、七味唐辛子を手作りしました! 調整次第でお好みの辛さや香り、色あいを楽しめる、完全オリジナルなMy七味唐辛子がつくれます。
講座会場の近くにはなんと小さな薬師堂があり、薬師如来に見守られながら七味唐辛子づくりをしました。講師は日本初のチベット医・小川康先生と、地元の東秩父村を愛する地域コーディネーター・西沙耶香先生です。七味唐辛子づくりはもちろん、おふたりによる熱血講義も、本講座の見どころならぬ聞きどころです!

薬師如来に見守られながら七味唐辛子をつくりました。
薬師如来に見守られながら七味唐辛子をつくりました。

講座スタート

開講そうそう、小川先生が本をご紹介してくださいました。『臼(ものと人間の文化史)』です! この本の魅力について、小川先生の熱血講義が早速スタートしました。
「著者の三輪茂雄先生は、【臼】に人生をかけた人! 『モノを使わなかったら人間じゃない』と豪語しています! 全国に【臼】好きの子供がいるかもしれない。何かを出せば、それにはまる人に、僕は惹かれます!」
チベット医学にのめりこみ、日本初のチベット医になられた小川先生らしいお言葉です。「モノを使わなかったら人間じゃない」という言葉にならい、西先生所有の薬研(やげん)が重要な役割を果たします。いよいよ七味唐辛子づくりが始まりました。

材料
➀東秩父村産の唐辛子 ➁東秩父村産の福来(ふくれ)ミカン ➂青のり ➃ゴマ ➄黒ゴマ ➅生姜 ➆ケシ ➇山椒

 

お分かりのように、材料が8つあります。実は本講座でつくったものは、「七味唐辛子」ではなく、正確には「八味唐辛子」なのです! 
材料を並べてみたら、その見た目の美しさに驚きです! 調合される前の七味唐辛子を撮ろうと、瞬く間に撮影会が始まりました。まずは、東秩父村産の唐辛子と福来ミカンの皮を、ストーブの上で温めます。

東秩父村産の唐辛子をストーブの上で温めます
温めた唐辛子の種を取る作業です。

 

ここで薬研の出番です。温めたこれら材料を、薬研で細かく挽いていきます。
地域の資源を最大限生かしたい!」と熱く語る西先生、そのこだわりは材料だけではなく、調理道具にまで及んでいます。昔ながらのかっぽう着に身を包んだ西先生がお手本を見せてくださいました。薬研がまだ使われていた時代、先人たちもこのように薬研を使っていたのでしょうか。講義室が和室だったこともあり、ホッとする懐かしさを感じました。この作業、簡単そうに見えて、実はかなりのコツがいります。薬研の底で「押しつぶす」のではなく、やや側面を意識しながら「すり潰す」イメージです。

唐辛子や福来ミカンの皮を薬研ですり潰しています 西先生がお手本を見せてくださいました

唐辛子や福来ミカンの皮を薬研ですり潰しています
西先生がお手本を見せてくださいました

「ミキサーを使うのとは全然違う」とのことだったので、試しに電動ミキサーでも細かくしてみました。見比べてみて驚きです! ばらつきや色合い、香りが全然違います! 

薬研ですり潰した左側の方が、より細かく均一にすり潰されているのがわかります

薬研ですり潰した左側の方が、より細かく均一にすり潰されているのがわかります

すり鉢とすりこぎ棒でゴマもすり潰します。薬研で挽いた七味とミカンの皮、すりつぶしたゴマ、、、ここまで来たら部屋中に色々な香りが充満して、お腹が空いてきました。細かくした粉末状の材料も非常に綺麗で、再び撮影会が始まりました。
最後にこれら8種類の材料を調合し容器に詰め、七味唐辛子の完成です。西先生から七味唐辛子を調合する際の、8つの材料の分量について、ご説明がありました。
胡麻スプーン2杯に対し、ミカンの皮1、唐辛子1、青のり1、黒ゴマ1/2、生姜1/2、ケシ1/2、山椒は1/2が基準です。お好みで辛さや香りを自分なりに調整できるのがいいですね。
下は細かくする前と後、材料のビフォーアフターです。

挽く前の材料
 ネパールの国民食「ダルバート」を思い起こさせます。
挽いた後の材料
正確には「七味」ではなく、「八味唐辛子」なのです・・・・。

 

おわりに

今回の講座は室内講座となりました。しかし、「地産地消」、「道具と人間」、「七味唐辛子」等に対する小川先生と西先生のお話を聞くことが出来ました。そして無事、東秩父村の特産物と道具を使用した完全オリジナルな七味唐辛子を完成させることができました。お二人の熱い思いと東秩父村の唐辛子のお陰で、寒さも一気に吹き飛びました。

右が小川先生、左が西先生です

右が小川先生、左が西先生です


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