【開講記】北関東の小京都・足利の歴史探訪

11/30(土)、栃木県足利市で風カルチャークラブの講座 「北関東の小京都・足利の歴史探訪」 が行われました。足利 義兼(よしかね)[?〜1199]ゆかりの地である栃木県足利市を、風カルチャークラブ講師・関根秋雄先生と探訪しました。

足利義兼について

足利義兼。聞いたことない方も多いと思います。
義兼は平安末期から鎌倉前期にかけての武将です。足利義康の三男であり、北条政子の妹・時子と結婚しました。義兄弟である源頼朝の側近にあって数々の武功を立て、鎌倉幕府創設のために尽くしました。頼朝が亡くなると出家し、1199年に樺崎八幡宮にて生入定します。足利に極楽寺や足利学校の前身である持仏堂を足利に建てたことでも知られています。
本講座はそんな義兼が晩年に過ごした足利市を探訪し、義兼ゆかりの場所を訪れ、彼の晩年の軌跡を辿るというものです。
実は私、この講座が初アテンド業務です!

講座スタート

午前11:30頃、足利駅からタクシーで樺崎八幡宮に到着しました。樺崎八幡宮は、晩年の義兼が生入定(いきにゅうじょう)した場所です。
信仰心が強かった義兼は1195年に出家し、1199年、この地で生きたままミイラになり最期を迎えました。本殿は江戸時代に再建されましたが、明治時代の神仏分離令により廃寺となりました。現在の建物は、のちの発掘調査で発見され、修復されたものです。寺内を散策していたら意外な発見がありました! 奉納された絵馬の中に、アニメのキャラクターが描かれたものが混ざってたのです! どうやらこの樺崎八幡宮は、アニメ「ヨスガノソラ」の舞台となったことでも有名なようです。中にはなんと中国語や韓国語などのメッセージが添えられたものもありました。海外からはるばる「聖地巡礼」に来ている観光客もいることに驚きを感じ、アニメ文化の影響の強さをうかがい知ることが出来ました。八幡宮には義兼の五輪塔跡もあり、その横で昼食休憩をとりました。実はこの五輪塔、現在では市内の光得寺に納められており、見学可能です。

樺崎八幡宮・本殿 この下に生入定した足利義兼が埋められているといわれています

樺崎八幡宮・本殿
この下に生入定した足利義兼が埋められているといわれています

樺崎八幡宮・拝殿

樺崎八幡宮・拝殿

キャラクターが描かれた絵馬。 様々な国の文字が描かれていました

キャラクターが描かれた絵馬。
様々な国の文字が描かれていました


休憩後、約1時間半の時間をかけて足利市内を街歩きし、目的地である北幸楽荘というバス停を目指しました。辺りには足利の田園風景が一面に広がっており、秋の匂いを感じました。途中、光得寺に立ち寄りました。
このお寺は、先ほど見学した樺崎八幡宮が廃寺となった際、大日如来坐像と五輪塔が移された場所です。大日如来坐像は国重要文化財に指定され、現在では東京国立博物館に所蔵されています。制作者はなんと「運慶」と言われています! インド発祥といわれている五輪塔は5つの意思を積み重ねた供養塔であり、それぞれの石は上から順に空、風、火、水、地を表しています。中には供養された人物の名前や年代がわかるものがあり、近くで見ると意外と大きく迫力がありました。
その後徒歩で30分間、再び足利市ののどかな農村風景を楽しみながら歩き、無事、北幸楽荘に到着しました。蔵王様前までバス移動後、法楽寺に行きました。辺りの景色は先程までの農村風景とは打って変わり、賑やかな街中散歩となりました。法楽寺は「関東の銀閣寺」ともいわれています。確かに外観が似ている気がします。境内には義兼の三男・足利義氏のお墓があり、足利市指定文化財に指定されています。

「関東の銀閣寺」ともいわれている法楽寺

「関東の銀閣寺」ともいわれている法楽寺

その後、法玄寺に向かいました。ここには詩人・相田みつをのお墓があります。が、今回の講座テーマの義兼ゆかりの地でもあります。
義兼の正室であった北条時子の菩提のために建立されたといわれており、境内には伝北条時子姫五輪塔があります。この五輪塔は義兼の長男・義純が建立したとされています。本堂は明治時代の火災後に再建されました。本堂西側の切妻には、火を鎮める水玉を持った龍が描かれています。
いよいよ最終目的地、鑁阿寺へ向かいました。途中で北仲通りを通過しました。この通りは昔ながらのマムシ屋さんや漢方屋さんなどが立ち並び、タイムスリップしたような気分になりました。近くには今は廃業している大きな劇場もあり、昭和レトロな雰囲気を満喫しました。「三丁目の夕日」を思わせるノスタルジックな風景が現代にも残っているなんて、本当に驚きでした!
最終目的地、鑁阿寺(ばんなじ)に着きました。このお寺は義兼が1196年、邸内に持仏堂(じぶつどう)を建て、守り本尊として大日如来を祀ったのが始まりといわれています。足利市民には「大日様」と呼ばれ親しまれているそうです。紅葉がとても綺麗で、見ごたえ抜群でした!

最後に訪れた鑁阿寺
紅葉がキレイでした

最後に訪れた鑁阿寺
紅葉がキレイでした

おわりに

今回の講座は、「歴史探訪」という名前にあるように、街歩きが今回の講座の大きな目玉です!
義兼ゆかりの場所を訪れ晩年の軌跡を辿れたのと同時に、樺崎八幡宮は義兼が入滅アニメの「聖地」としての顔もあることや外国人も巡礼に訪れること、違う時代を実感できる足利の街並み、農村と街が同居する足利市の多様性、見ごたえ抜群の鑁阿寺の紅葉など、街歩きを通じた「探訪」ならではの、机上の学習では知ることが出来ない貴重な体験ができた講座となりました。


2025年2月には関根先生が講師として同行!

―日本人が知らないチョット・ディープな南インド“知の旅”への誘(いざな)い―

終了ツアー 2/7(金)発 世界遺産ハンピ遺跡とマイソールの旅6日間

出発日設定2025/02/07(金)
ご旅行代金559,000円
出発地東京
oz-i-sekine-ind-hanpi oz-i-sekine-ind-hanpi

終了ツアー


シェアする

コメントを残す

※メールアドレスが公開されることはありません。