ついに中国ビザ免除再開

いよいよ待ちに待った中国の短期滞在ビザ免除がほぼ5年ぶりに再開されました。
正式発表の少し前から「まもなくビザ免除が再開される」という新聞記事が出たものの、なかなか正式発表に至らずヤキモキしていました。そんな11月22日(金)午後、「ようやく正式発表」という一報が入ると社内でも喜びと安堵の声が上がりました。実は年末のチベットツアーにご参加されるお客様には「この日までに正式発表がなければ、週明けからビザの申請作業に入る」とお話をしていたので、まさにギリギリのタイミング。というのはチベットの入境許可証を取得するためにビザ情報が必要だったのです。

パンデミックの終焉後、中国政府は2023年7月26日からシンガポールとブルネイに対してビザ免除措置を再開。23年12月からフランス、ドイツ、マレーシアなど6か国に、2024年3月からスイスなど6か国に、7月からニュージーランドなど3か国に、10月からポルトガルなど4か国に、そして11月4日には8日から韓国など9か国、合計29か国にビザ免除措置が発表されていました。しかし、依然として日本へのビザ免除措置は再開していませんでした。

(詳しくはジェトロの記事を参照:中国、日本へのビザ免除再開、滞在期間は30日に:外部リンク)

弊社の扱い地域でもネパール、インド、カンボジアのようにいまだに渡航ビザが必要な国も少なくありません。しかし、ほとんどの国で申請はオンライン、内容も形式的なもので手続きは簡略化され、パスポート本体を大使館に送付する必要すらない国もあります。

ところが、中国ビザは申請にあたり、職歴学歴、家族情報、渡航歴など申請項目が多岐にわたり、航空券や滞在中の宿泊予約確認書まで求められます。写真の条件も厳しく何度も撮り直しをした方も少なくありません。当初は本人が出頭して指紋採取までしていました。職業や渡航歴などによっては審査に時間がかかるなど「1週間程度の観光」に対して、お客様にも我々旅行業者にも大きな負担となっていました。これがビザ免除によって一気に解消するのです。個人的には2024年風の10大ニュースのぶっちぎり第1位にあげたい出来事です。

余談ですが、ビザ免除によって中国観光だけでなくビジネス渡航も増えることになるでしょう。これまで先送りにしてきたビジネスミーティングや現場視察などが手軽に行えるようになります。そして一番大きい効果は、ビザ免除によって日中間の航空需要が増えることです。ツアーで利用できるフライトの選択肢も増え、上げどまっていた航空券の代金が下がることも期待できます。

2025年にはチベット、シルクロードなどのツアー企画も本格的に復活します。「ビザがあるから中国はちょっと…」と二の足を踏んでいた方には、是非ともこの機会に2025年のチベットやシルクロードへのご旅行を検討していただきたいです。私自身、この年末年始は最初にビザ免除の恩恵に預かった15名のお客様とチベットへ行ってきます。2年連続のチベットでの年越しですが、冬のチベットの魅力をご参加の皆様に味わっていただきつつ、新たに始めたインスタグラムなどのSNSなどで発信しようと思っています。楽しみにお待ち下さい。

今号から「風の向くまま 気の向くまま」の執筆陣に加わることになりました。月に1度、個人的な「よしなしごと」を書かせていただきます。駄文ですが、ご覧いただけましたら幸いです。
では、本年も大変お世話になりました。皆様良いお年をお迎え下さい。
2025年もどこかの空の下でお会いできればうれしく思います。 

中村昌文 記

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