明日はバレンタインデーですね。私はチョコレートが大好きで、好きが高じて「チョコレート検定」の中級(エキスパート)を取得しました。この検定は明治が主催し、初級・中級・上級の3つのレベルがあります。成績優秀者にはチョコレート1年分が贈られます。「チョコ1年分がもらえたら、検定料の元もとれて資格もとれる。めっちゃお得!」と軽い気持ちで学び始めましたが、チョコレートの奥深い世界にすっかり夢中になりました。
その奥深さの一つは、カカオの産地では固形のチョコレートが作れないことです。カカオの生育地は北緯20度から南緯20度の「カカオベルト」と呼ばれる高温多湿な地域で、ここではチョコレートが溶けてしまいます。しかし16世紀、スペイン人がカカオをヨーロッパに持ち帰り、砂糖やミルクを加える技術とともに発展させ、現在の固形チョコレートが生まれました。
また、カカオ豆は発酵・乾燥を経て出荷されます。発酵には高温多湿の環境と微生物の働きが不可欠で、これによりチョコレート特有の香りが生まれます。つまり、カカオ産地では固形のチョコレートを作れず、発酵は産地でしかできない。この2つの条件がそろって初めてチョコレートが完成するのです。
さらに、チョコレートの口どけの良さは「ココアバター」によります。ココアバターの融点は33.8℃で、人の口に入れて溶けはじめるため、なめらかな食感と香りが広がります。例えば、犬や猫の場合体温が高いため、仮にチョコレートを食べた場合、一瞬で溶けてしまい、風味を味わえないはずなのです。この香り高く滑らかな口どけは、人間の体温があってこそ、味わえるカカオの風味なのです。また、このココアバターには6種類の結晶があり、テンパリング(温度調整)をすることで、安定した結晶となります。販売している板チョコを見ると表面が艶やかで、割るとパキッと割れるのは、テンパリングをし最も安定したV型の結晶だからです。
検定を受けた2020年はコロナ禍の真っ最中でした。会社を休業し副業に励む中「旅行の仕事ができなくなるかも」「風の旅行社もなくなるかも」といった不安を抱えながらも、いつかはコロナも終わる。その時に「あの何年間は何をしてたんだろう」とは思いたくない、せめて資格を取ろうという気持ちで勉強しました。ただ、一番の原動力は、やっぱり目の前の人参で、チョコ1年分という人参を食べる夢はかないませんでした。
コメント一覧
りか2025.02.14 10:58 pm
スタッフの声2025.02.16 10:54 am