第146回●キャン・チャク ~五体投地~
ラサ・ジョカン寺の前での五体投地の風景 メンツィカンを卒業し、久しぶりにダラムサラを訪れたときのこと。チベット仏教を学ぶ日本人のS君が「これからお寺で五体投地をしますけれど、小川さんも一緒にどうですか」と誘ってくれた。恥 […]
ラサ・ジョカン寺の前での五体投地の風景 メンツィカンを卒業し、久しぶりにダラムサラを訪れたときのこと。チベット仏教を学ぶ日本人のS君が「これからお寺で五体投地をしますけれど、小川さんも一緒にどうですか」と誘ってくれた。恥 […]
ビクトルの診察風景 ダウンタウン松本人志のコントに「12か国語を話す男」がある。12か国、それぞれの母国語で次々と話しかけてくる彼らに、アドリブで返答(もちろん適当に)していくというもの。2009年、メンツィカンで研修し […]
桜の咲く小諸の街 昨年、小諸に住んでいたとき、東京からライターさんが取材に訪れ、小諸の魅力はなんですかと問うた。おそらく「自然が豊かで、夏が涼しくて、人が優しくて、温泉があって」というキャッチーな答えを期待していたのだろ […]
メンツィカンの読経風景 2002年 速疾にして勇猛なるターラ菩薩よ 慧眼は一刹那の稲妻のごとくなり 三界の守護尊は蓮華の御顔の 花弁が開きし中より生じたり。 […]
チベット語大辞典 上下巻二冊 日本語大辞典を編纂する過程を描いた映画『舟を編む』を鑑賞しながら、僕はずっとチベットの大辞典『ツィク(単語)・ズ―(庫)・チェンモ(大きい)=大辞典』に思いを馳せていた。 大辞典編纂の起源は […]
エネルギーについて授業する筆者1993年2月 1年間、「ボラ」とだけ呼ばれ続け、自分の本名を忘れかけたことがある。あれは1992年、北海道留寿都農業高校で理科の講師と舎監を務めたときのことだ(第26話)。当初、雄大な羊蹄 […]
毎朝夕の読経風景 メンツィカンの1日は朝7時、全校生徒が講堂に集まって薬師如来に帰依し、お経を唱えることからはじまる。しかし、僕が入学した当初、講堂に肝心の仏像はなく、今、振り返ってみると何とも殺風景だったものだ。そんな […]
ハービスプラザの地下道にある滝 大阪・ハービスプラザの地下道が大好きだ。通路に沿って滝が流れ、まるで年中クリスマスのように彩られている。というと少し大袈裟だが、いま振り返るとそんなイメージがよみがえってしまうから不思議な […]
子供の脈診 チベット語の家庭教師ドルマちゃん(第85話)は、僕のギュースム達成(第24話)を見届けると、教師としての役目を終えたかのように、2007年12月、ダラムサラからニューヨークに移住した。インドに亡命したチベット […]
吹雪の中を進むタシとゾ 北海道の大牧場でアルバイトをしたのは22歳の夏(注1)。生まれてはじめてツナギの作業着に身を包むと気分はすっかり『北の国から』だ。朝4時に起床し搾乳の手伝いがはじまる。僕の仕事は搾乳を終えた牛を順 […]
サンポ・ドゥク 昨年、ダラムサラを訪れた際、製薬工場で指揮を執っている親友のジグメに「サンポ・ドゥクを一握りずつ売ってくれないか」と頼みごとをした。 僕の突然の申し出にジグメは「薬師如来にお供えするのか」と答えると、すぐ […]
自伝を手にするシャンバ シャンバおじさん(第13話)は僕を見つけると「ちょっと、ちょっと待っていてくれ」と一大事とでも言わんばかりに呼び止めた。そして数分後、紺色の本を5冊も抱えて小走りで戻ってきた。「俺の伝記をジグメが […]