第155回●キ ~来世はアムチ~
図書館の前で幸せそうに眠る犬 いつも犬(チベット語でキ)が数匹、一緒に聴講していた。飼い犬というわけではなく、なんとなくメンツィカンに住みつき、授業となると必ず顔を出す。読経の時もお堂のどこかに居場所を見つけて寝ころんで […]
図書館の前で幸せそうに眠る犬 いつも犬(チベット語でキ)が数匹、一緒に聴講していた。飼い犬というわけではなく、なんとなくメンツィカンに住みつき、授業となると必ず顔を出す。読経の時もお堂のどこかに居場所を見つけて寝ころんで […]
診察中の僕とデキ先生 2008年10月 ケリー(仮名)がやってきた。メンツィカン診察室の窓の下にタクシーが止まり、大柄な彼女が降りてくるのを見つけると研修医の僕は体を身構えた。いまデキ先生は不在で僕1人しかいない。 ケリ […]
黒板でできた教室 7月、越後妻有の農舞台(のうぶたい)のなかにある会場に足を踏み入れたとき、僕の脳裏にヘンゼルとグレーテルの「お菓子の家」が浮かんだ。なぜなら、この教室は四方八方の壁、床だけでなく、机、椅子、に至るすべて […]
講話中に法王を真っ直ぐ見つめる聴衆(写真提供:中原一博) 「チベット人を励ますために、日本人でコンサートをやろうよ!」。2008年4月、チベット動乱で揺れるダラムサラで(第33話)、日本人のAさんが声を上げた。 30代女 […]
ペリンを読経するツェチュの様子 先日、ダラムサラで仏教論書の『入菩薩行論』を求めたところ、店主から「いま本型は売り切れて、ペリンしかないけどいいかい」と言われ、思いもかけずペリンを購入することになった。ペリンとは、ペチャ […]
マタタビ 6月、レンタカーで軽井沢近くの碓氷峠を通過するとき、妻が沿道に群生する植物に興味を示した。 「ねえ、ねえ、あの葉っぱ、なんか変だよ。数枚だけ白くペンキに塗られたみたいに変色している」 高速道路を運転中ではあるが […]
スタクモ村 8月に催行されたラダック伝統医学ツアーの初日、レ―郊外のスタクモ村を訪れた。幹線道路から5kmほど走り、時代の流れが止まったままのような村に着くと、僕たちツアー一行はのんびりと散策することにした。畑仕事をして […]
問答をする僧侶 ツェンニーの中庭にて 平日の午後2時から4時ころにかけて、ダラムサラのメインテンプルの広場では、ツェンニーの僧侶たちが賑やかに問答を繰りひろげ、彼らを外国人観光客が物珍しそうに見物している。ツェンニー(仏 […]
右遶する巡礼者 左端は筆者 「牛に引かれて善光寺参り(注1)」のごとく、2011年12月、妻の希望でインドの仏跡巡りに出かけることになった。僕は信仰心がないわけではなかったのだが(第125話)、「眼に見える形が大事なので […]
ラサ・ジョカン寺の前での五体投地の風景 メンツィカンを卒業し、久しぶりにダラムサラを訪れたときのこと。チベット仏教を学ぶ日本人のS君が「これからお寺で五体投地をしますけれど、小川さんも一緒にどうですか」と誘ってくれた。恥 […]
ビクトルの診察風景 ダウンタウン松本人志のコントに「12か国語を話す男」がある。12か国、それぞれの母国語で次々と話しかけてくる彼らに、アドリブで返答(もちろん適当に)していくというもの。2009年、メンツィカンで研修し […]
桜の咲く小諸の街 昨年、小諸に住んでいたとき、東京からライターさんが取材に訪れ、小諸の魅力はなんですかと問うた。おそらく「自然が豊かで、夏が涼しくて、人が優しくて、温泉があって」というキャッチーな答えを期待していたのだろ […]