第143回●ターラ ~読経の力~
メンツィカンの読経風景 2002年 速疾にして勇猛なるターラ菩薩よ 慧眼は一刹那の稲妻のごとくなり 三界の守護尊は蓮華の御顔の 花弁が開きし中より生じたり。 […]
メンツィカンの読経風景 2002年 速疾にして勇猛なるターラ菩薩よ 慧眼は一刹那の稲妻のごとくなり 三界の守護尊は蓮華の御顔の 花弁が開きし中より生じたり。 […]
チベット語大辞典 上下巻二冊 日本語大辞典を編纂する過程を描いた映画『舟を編む』を鑑賞しながら、僕はずっとチベットの大辞典『ツィク(単語)・ズ―(庫)・チェンモ(大きい)=大辞典』に思いを馳せていた。 大辞典編纂の起源は […]
エネルギーについて授業する筆者1993年2月 1年間、「ボラ」とだけ呼ばれ続け、自分の本名を忘れかけたことがある。あれは1992年、北海道留寿都農業高校で理科の講師と舎監を務めたときのことだ(第26話)。当初、雄大な羊蹄 […]
毎朝夕の読経風景 メンツィカンの1日は朝7時、全校生徒が講堂に集まって薬師如来に帰依し、お経を唱えることからはじまる。しかし、僕が入学した当初、講堂に肝心の仏像はなく、今、振り返ってみると何とも殺風景だったものだ。そんな […]
ハービスプラザの地下道にある滝 大阪・ハービスプラザの地下道が大好きだ。通路に沿って滝が流れ、まるで年中クリスマスのように彩られている。というと少し大袈裟だが、いま振り返るとそんなイメージがよみがえってしまうから不思議な […]
子供の脈診 チベット語の家庭教師ドルマちゃん(第85話)は、僕のギュースム達成(第24話)を見届けると、教師としての役目を終えたかのように、2007年12月、ダラムサラからニューヨークに移住した。インドに亡命したチベット […]
吹雪の中を進むタシとゾ 北海道の大牧場でアルバイトをしたのは22歳の夏(注1)。生まれてはじめてツナギの作業着に身を包むと気分はすっかり『北の国から』だ。朝4時に起床し搾乳の手伝いがはじまる。僕の仕事は搾乳を終えた牛を順 […]
サンポ・ドゥク 昨年、ダラムサラを訪れた際、製薬工場で指揮を執っている親友のジグメに「サンポ・ドゥクを一握りずつ売ってくれないか」と頼みごとをした。 僕の突然の申し出にジグメは「薬師如来にお供えするのか」と答えると、すぐ […]
自伝を手にするシャンバ シャンバおじさん(第13話)は僕を見つけると「ちょっと、ちょっと待っていてくれ」と一大事とでも言わんばかりに呼び止めた。そして数分後、紺色の本を5冊も抱えて小走りで戻ってきた。「俺の伝記をジグメが […]
つい先日、都内への大学院進学にともない(第129話)小諸で引っ越し作業をしていたとき、茶色く変色した22年前の切り抜きが出てきた。 * * * * コラム・編集手帳 豊かさは生きていることのあかしを見失いがちな若者を生ん […]
インド人とチベット人が衝突したバススタンド広場 ルームメイトのダツェが興奮しながら部屋に飛び込んできた。「いま、バススタンドでインド人タクシードライバーとチベット人の大乱闘があって、チベット人が1人、半殺しになったらしい […]
我らのチャンピオン私は左から三番目 ときに他人の能力をうらやんでしまうことがあった。スポーツ、音楽、伝統芸能、職人技など、その道で大活躍している人たちは小さい頃から英才教育を受けているがゆえに熟練した能力を発揮できる。そ […]