第327話 デンドゥル~競争~チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
作家、上橋菜穂子さんの自伝エッセイ『物語ること、生きること』のなかに興味深い記述をみつけた。それは上橋さんがオーストラリアに留学していたときのこと。アボリジニ出身の学生たちはカンニングをすることに抵抗がないことに当初は驚 […]
作家、上橋菜穂子さんの自伝エッセイ『物語ること、生きること』のなかに興味深い記述をみつけた。それは上橋さんがオーストラリアに留学していたときのこと。アボリジニ出身の学生たちはカンニングをすることに抵抗がないことに当初は驚 […]
紅茶キノコ、納豆、ココアブームなど健康法に対する日本人の熱狂性は高度経済成長以降の現象かと思いこんでいたら然に非ず、意外と歴史が深かった。たとえば1680年ころ、海外から輸入されるミイラが万病に効くとして大ブームになり「 […]
長野県内のいくつかの小学校では、5月になると全校をあげてヨモギ摘みが行われる。平成28年、その中の一つの小学校で取材をさせてもらい、まずは保護者への配布文書を見せていただいた。タイトルに「ヨモギ採りのお願い」とある。 野 […]
日本最高ランクの「くすりびと」(第102話)として僕が尊敬しているAさん、たぶん65歳くらい、の家は代々薬草採取を生業としてきた。キハダ、黄連、木通、ヨモギなど多種の薬草を全国各地で採取し、それは漢方薬の原料や野草茶の […]
隣の竹やぶに生える15mほどの大木の伐採を頼まれた。「ウルシかもしれないから気をつけて」といわれたので、注意して観察すると、なるほど羽状複葉(注1)の形態と樹皮の様相から推察するとウルシである。安易に伐採すればかぶれてし […]
ダラムサラにて 「チベット医学(注1)をもっと積極的に日本に広めないのですか」という質問を受けるたびにちょっと困ってしまう。そもそも「広める」という能動的行為がきわめてチベット的ではないような気がしていたのだが、なるほど […]
談笑するメンツィカン学生 2006年 チベット人と談笑する筆者 2019年12月 どんな言語であれ、文化の相違によって通訳が難しい単語はあるが「趣味は何ですか、」という日本語をチベット人に通訳するのは簡単そうで難しかった […]
はじめてデリー空港に降り立った1999年1月9日の深夜。乗り込んだタクシーにそのまま連れ回され、到着したのは予約していたホテルとは全く別のホテル。さらに「いま、デリーでは大きな国際会議が開催されていて、多くのホテルで急な […]
「ツェリン・バルダンよ、よくお聞きなさい」 25年前も前に一度視聴しただけなのに、あの独特のゆっくりとしたナレーションはいまも耳に残っている。1998年、北インド・ダラムサラへ向かう直前にDVD『NHKスペシャル チベッ […]
中国・四川省アチェンガル・ゴンパのアソン・リンポチェ(本文と直接の関係はありません) 一年間に及ぶ研修がもう終わろうかという2009年3月下旬、病院長が「私がずっと診てきた高僧が遷化しトゥクダムに入られたようだ」と教えて […]
研修医時代 2008年の研修医時代のこと。病院での診察に慣れ、ようやくアムチ(医師)らしくなってきた五月のある日、ひとりの僧侶が若い僧侶に付き添われて診察室に入ってきた。目がうつろで足取りがおぼつかない。年齢は40代後半 […]
森のくすり塾の畑(サツマイモの収穫) 富山県の山奥。とある小さな集落で開催された婦人会に講師として招かれたときのこと。話の切っ掛けになればと薬としてのミミズを紹介した。ミミズは古来より解熱薬として地竜(ジリュウ)の名で […]