

第316話 ダクペー・ブ ~ミミズ~ チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
森のくすり塾の畑(サツマイモの収穫) 富山県の山奥。とある小さな集落で開催された婦人会に講師として招かれたときのこと。話の切っ掛けになればと薬としてのミミズを紹介した。ミミズは古来より解熱薬として地竜(ジリュウ)の名で […]
森のくすり塾の畑(サツマイモの収穫) 富山県の山奥。とある小さな集落で開催された婦人会に講師として招かれたときのこと。話の切っ掛けになればと薬としてのミミズを紹介した。ミミズは古来より解熱薬として地竜(ジリュウ)の名で […]
メンツィカン(北インドのダラムサラにあるチベット医学暦学院)では毎夕7時から30分間読経がおこなわれる。そのなかに「シャンバラ国への誕生祈願経(注1)」という短い経文が含まれていた。 メンツィカンでの読経風景 2003年 […]
ブータンの弓試合(東ブータン) 100~130m離れた的を狙う弓技(ダツェ)を国技とするブータンが、オリンピックのアーチェリー競技(70m)で活躍できないのは「的が近すぎるから」というのは有名な言い訳である。そんなブータ […]
アルメニア人のインガにはじめて出会ったのは僕がメンツィカンを卒業してから3年後の2012年10月、チベット医学国際会議に参加するためにメンツィカンを訪れたときのことだった。職員が当時メンツィカン1年生だった彼女に「この […]
薬学部時代の筆者 修正 大学4年生の僕は有機化学合成、いわゆるケミカルの研究室に属し、合成薬の副作用を防止する研究を行っていた。このまま大学院に進学し2年後に一流製薬企業への就職が、ほとんどの東北大学薬学部生にとっての既 […]
もうひとつの日本地図 佐渡の自然学園を辞めた後、居場所を失った24歳の僕はしばらく都内に住む岩(がん)さんの6畳一間のアパートに居候していた。所持金が少なく、かなりすさんでいた。そんな僕にいよいよ愛想を尽かしたのだろう、 […]
ロシアといえばマトリョーシカ ロシアはチベット語でウルソという (注1)。ただし12世紀ころに完成したチベット医学教典『四部医典』にはロシアに相当する地域は登場しない。登場するのはインドにあたるギャ(広大な)カル(白)、 […]
四部医典の絵解き図より 1980年僕が10歳のとき、はじめて東京を旅行し上野公園、東京タワーなどを観光した。しかし、それらお決まりの観光地を差しおいて、もっとも印象に残ったのは上野駅前に座っている傷痍軍人の方々だった。僕 […]
小さい頃、遠足といえばバスの酔い止めにみんな仁丹を持ってきていた。せっかく買ったのだからと、気分も悪くないのに小さな銀色の丸薬を口にすると清涼感のある香りが広がったのを覚えている。仁丹は甘草、阿仙薬、薄荷、丁子など穏やか […]
かっこいい山伏になるための薬草講座 2015年に戸隠神社で開催した「かっこいい山伏になるための薬草講座」。閃いたタイトルは我ながら面白いと思ったのだが、あいにく山伏は誰も参加してくれなかった。それでも30名近い方が参加し […]
日本藥学史 2011年、古書店で『日本藥學史』を偶然見つけた。薬学部生時代にはこの本の存在はおろか、「薬学史」という科目の存在すら知らなかったのだから誠に恥ずかしい。「印刷が甚だ困難な時代に出版を快諾せられ」という序言の […]
「ジンカ・ケワ」四部医典の絵解き図より 「喩えるならば、僕はチベット医学界の高見山です」と講演会で自己紹介すると、僕よりも年配者の方々は笑いとともに頷いてくれる。高見山(注1)といえばハワイ出身の大型力士。大相撲界初の外 […]