第299話 リ・ツェ ~山頂~ チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
ブータン国が2006年に6000m以上の高山への登山禁止を発表したことに象徴されるようにブータンを含めたチベット文化圏には山頂(チベット語でリ・ツェ)を極めるという文化はもともと存在しない。ましてやチベット民衆から崇めら […]
ブータン国が2006年に6000m以上の高山への登山禁止を発表したことに象徴されるようにブータンを含めたチベット文化圏には山頂(チベット語でリ・ツェ)を極めるという文化はもともと存在しない。ましてやチベット民衆から崇めら […]
ひときわ魅力を放っている巨樹が近所にある。その名は「大六のケヤキ」。起源は鎌倉時代、源頼朝の時代にまで遡るとされ、12mもある幹回りを見ればさもありなんと納得してしまう。なによりも民家の隣に立っている姿がなんとも自然で […]
チャクポリ医学僧院の歴史はメンツィカン(チベット医学暦法学大学)よりも220年古い。ダライラマ五世の摂政サンゲ・ギャツォが1696年、デプン僧院にあった医学院をポタラ宮が聳えるマルポ(赤い)リ(山)の向かい側のチャクポリ […]
崩落した橋 あの日2019年10月12日、千曲川から3キロ離れた場所に位置する妻の実家で朝を迎えた。台風19号に伴って昨晩から降り続いていた豪雨は止んだけれど、上空にはヘリコプターが旋回し異様な雰囲気が漂っていた。そのと […]
2011年3月11日、僕は北インドのダラムサラ(亡命チベット人が暮らす街)で友人と昼食を食べていた。日本とインドでは3時間半の時差があるので、大地震が発生した14時46分はインドでは11時16分にあたる。ちょうど会話が盛 […]
野倉への道 夕方、店舗を閉店するといつも別所温泉の外湯に出かけている。入浴代はたったの150円。小さお風呂では常連さんたちと農作物や大相撲の話題で盛り上がる。そろそろ上がろうとすると「歩いて野倉まで帰るのかい?」と聞かれ […]
クプチュク チベット医学絵解き図 「カッコウが鳴いたら大豆を蒔け」ということわざを古老から教えてもらっていた。そしてまさに2020年6月10日の朝、目覚めにカッコウの鳴き声を今年はじめて聞いた。「よし、今日、大豆を蒔こう […]
2020年11月23日 暗誦する筆者 四部医典の暗誦儀式「ギュ・ニ」(第291話)を開催するにあたり、暗誦の立会人をどうするか悩んでいた。メンツィカンで開催されるギュ・スムでは、大学の先生が5人がかりで立ち会い、つまり […]
マンダラ マンダラ(曼荼羅)の呼称は日本ではきわめて抽象的に用いられている。たとえばチベットの仏画全般を総じてマンダラと呼んだり、円と四角を組み合わせたマンダラ風の現代絵画もまたマンダラと称されることがある。そのマンダラ […]
宗吽寺 11月23日、上田市内の寺院において『四部医典 ギュ・シ(4)』二部暗誦の儀式「ギュ・ニ(2)」を開催した(第289話)。ギュは日本語でタントラと訳され神秘的な意味合いを帯びることがあるが、チベット語のギュには「 […]
「ディケ(この言葉を)、ダクギ(我が)、トゥーパ(聴いた 注1)、トゥ・チク(時)、ナ(場)。」 薬王城タナトゥク 八世紀に起源を有する『四部医典』はこの一節「我がこの言葉を聴いた時、場とは」で幕を開ける。法が成立するた […]
残暑厳しい9月4日、薄着のまま店の駐車場へ出かけた。駐車場は店から約80m高低差30m離れたところにあるため管理を怠りがちになってしまう。なにしろ上田市で(当時)コロナのクラスターが発生しているために来客の気配すらない […]