第277話 ンゴゴル~反抗期~チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
チベット社会には思春期特有の第二次反抗期が存在しないことに僕はあるとき気がついた。日本では中学高校生になると親とあまり口を利かなくなり、一緒に出かけることを嫌う傾向がある。同学年や先輩後輩にはめっぽう気を使うが、馴染みの […]
チベット社会には思春期特有の第二次反抗期が存在しないことに僕はあるとき気がついた。日本では中学高校生になると親とあまり口を利かなくなり、一緒に出かけることを嫌う傾向がある。同学年や先輩後輩にはめっぽう気を使うが、馴染みの […]
忍冬 スイカズラ 明智光秀。いわずと知れた本能寺の変の主役である。その前半生は明らかになっていなかったが、織田信長に士官する以前、武将としてだけではなく医師としても活躍していたことが判明した。熊本県の細川家に伝わる古文書 […]
母の生まれ故郷である庄川町(現・砺波市)へ末期癌で療養中の母と家族みんなでドライブに出かけた(2011年)。この町には母の旧姓である小谷姓が多い。その理由を聞いて驚いた。なんでも小谷城(滋賀県)が織田信長に攻め落とされた […]
タシデレ 「Hello こんにちは」はチベット語でタシデレとされている。しかしタシデレを一語一語解説するとタは輝く、シは祥(さち)、デは幸せ、レクは良い、したがって直訳すると「祥が輝き幸せであれ」となり「おめでとうござい […]
チベットの高僧(カム地方) メンツィカン入学試験(第15話2001年)の第一問目に「仏、法、僧の三宝を包括する四つ目の至宝とは何か」という問題が出された。正解は「ラマ」。仏教において釈迦、仏法、僧団の三つを宝として崇める […]
高岡から望む立山 チベット社会で「キドゥク」が開催されると、その日は深夜までドンチャン騒ぎが行われる。近隣のゲストハウスに滞在している外国人はクレームをつけるが、チベット人たちにとってはお互い様で馴れたもの。キ(幸せ)ド […]
脈診の絵解き図 メンツィカン病院にチベットから亡命したばかりの遊牧民が訪れた(2008年)。脈診をすると、あり得ないほどに脈が堅いことから「ときどき頭痛がしませんか」と問診した。すると「そのとおりです」と男性は驚いていた […]
マニ・リルプの原材料 観音様の御加持が込められるマニ・リルプ(第36話)の製薬をしているときのこと。材料のなかにチェスの型をした木がたくさんあることに気がついた。これはチェスの駒を繰り抜いたあとの白檀だという。チベット医 […]
ダチュ先生による尿診 特に年配者は朝一番の尿(チンパ)を新聞紙で包んだペットボトルに入れて、午前の早い時間にメンツィカンに来院する。アムチ(医師)はまず問診をし、次にペットボトルのまま色と浮遊物を観察する。ときにボトルを […]
資格ってなんだろう? 近代国家的な中央集権力を有しないチベット社会で10年暮らしているうちに、そんな疑問が浮かんできた。たとえばチベット亡命社会では恋人と夫婦の境界は曖昧で夫婦制度は厳しく管理されていない。日本では当たり […]
「ヒマラヤの宝探し」のタイトルに相応しく「お宝、大発見!」の報告をしたい。 時は2017年10月、場所は埼玉県東秩父村。火傷の妙薬である紫雲膏のワークショップを開催したときのこと。紫雲膏の原材料は、 1.紫根 2.当帰 […]
「阿修羅の血(ニンニク)は至高の滋養薬であり、/皮を剥いて一晩お酒に浸けておく。/濾した液を適当回数、内服しなさい。/後に牛乳、ギー(精製バター)、乾燥地帯の/肉汁を症状にあわせて温めて投与すると/ルン体質の人間の寿命を […]