第338話 ダラニ ~真言~ チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
チベット医学を目指す直前の25~28歳のころ、僕は山伏に強いあこがれを抱いていた。薬草、キノコ、山菜の知識に秀でた山伏になるべく、休日には北信五岳(注1)などの山々を駆け巡った。山伏は民衆を救うために山に入って修行をし、 […]
チベット医学を目指す直前の25~28歳のころ、僕は山伏に強いあこがれを抱いていた。薬草、キノコ、山菜の知識に秀でた山伏になるべく、休日には北信五岳(注1)などの山々を駆け巡った。山伏は民衆を救うために山に入って修行をし、 […]
僕の巻頭言が掲載された別冊太陽「平屋特集」が届いて(前話)、日本に平屋ブームが到来していることを知った。本冊子によると2011年の東日本大震災、原発事故を契機として、物を所有しないシンプルライフが提唱されはじめ、平屋へと […]
4月初旬、平凡社から『別冊太陽 ~平屋特集~』への原稿依頼、しかも巻頭エッセーという大役が舞い込んで、ちょっと驚いた。しかもお題は「庭の愉しみ」というのでかなり戸惑った。なにしろ庭園を積極的に愛でた記憶はなく、森のくすり […]
日本人女性と交際していたチベット人は、気がつくと「そうね」「……だわ」など、彼女を真似て日本語が女性化していた。彼にしてみれば、言語に女性言葉があるなどとは夢にも思わなかったようだ。さらに、彼は僕に椅子をすすめながら笑 […]
長野県内のいくつかの小学校では、5月になると全校をあげてヨモギ摘みが行われる。平成28年、その中の一つの小学校で取材をさせてもらい、まずは保護者への配布文書を見せていただいた。タイトルに「ヨモギ採りのお願い」とある。 野 […]
隣の竹やぶに生える15mほどの大木の伐採を頼まれた。「ウルシかもしれないから気をつけて」といわれたので、注意して観察すると、なるほど羽状複葉(注1)の形態と樹皮の様相から推察するとウルシである。安易に伐採すればかぶれてし […]
ダラムサラにて 「チベット医学(注1)をもっと積極的に日本に広めないのですか」という質問を受けるたびにちょっと困ってしまう。そもそも「広める」という能動的行為がきわめてチベット的ではないような気がしていたのだが、なるほど […]
談笑するメンツィカン学生 2006年 チベット人と談笑する筆者 2019年12月 どんな言語であれ、文化の相違によって通訳が難しい単語はあるが「趣味は何ですか、」という日本語をチベット人に通訳するのは簡単そうで難しかった […]
はじめてデリー空港に降り立った1999年1月9日の深夜。乗り込んだタクシーにそのまま連れ回され、到着したのは予約していたホテルとは全く別のホテル。さらに「いま、デリーでは大きな国際会議が開催されていて、多くのホテルで急な […]
「ツェリン・バルダンよ、よくお聞きなさい」 25年前も前に一度視聴しただけなのに、あの独特のゆっくりとしたナレーションはいまも耳に残っている。1998年、北インド・ダラムサラへ向かう直前にDVD『NHKスペシャル チベッ […]
研修医時代 2008年の研修医時代のこと。病院での診察に慣れ、ようやくアムチ(医師)らしくなってきた五月のある日、ひとりの僧侶が若い僧侶に付き添われて診察室に入ってきた。目がうつろで足取りがおぼつかない。年齢は40代後半 […]
森のくすり塾の畑(サツマイモの収穫) 富山県の山奥。とある小さな集落で開催された婦人会に講師として招かれたときのこと。話の切っ掛けになればと薬としてのミミズを紹介した。ミミズは古来より解熱薬として地竜(ジリュウ)の名で […]