近代化が進む首都ティンプー
文●中坪聴子(大阪支店)
2012年12月22日〜12月29日
一昨年の現国王夫妻来日で話題となったブータン。2012年末も2つのコースが添乗員同行で催行となりました。なんとブータンは11年ぶり(!)の添乗となった大阪支店中坪が前回(2001年)との違いをメインにレポートした添乗報告記です。変わったものと変わらないもの、ブータンの現在をお楽しみください。
ドゥルク航空、大きくなって…!
龍のマークがかっこいいドゥルク航空
まず驚いたのがドゥルク航空です。前回はパロから出発時には、機内の外に並べられたスーツケースを指差し確認をしないと搭乗できず、更にはスーツケースなどの受託荷物をコックピットのすぐ後ろに積み重ね、荷物が客席に飛び出さないよう網を張っていました。
またビジネスクラスも席がちょっとばかり広い程度でしたが、今回は座席も広く、食事も陶器の食器でだされ、バンコク、パロともにラウンジも利用でき、さらには優先出国審査(バンコク出国時のみ)とサービス内容も、他の航空会社と変わらない様子でした。一番の違いはパロ出発時に体重計に乗らなくて良くなったことです。当時の体重計は周りの人にもすべて見えてしまうものでしたので、とても恥ずかしい思いをしました。
ティンプーが!!
ティンプー市内のお店
パロから車を走らせること約1時間半。なにやらブータンらしくないカラフルな建物が見えてきました。建設ラッシュのティンプーは前回よりすっかり大きな都市になり、立派な道路が走っていました。そして、丘の上には巨大な仏像が!!まだ建設中の仏像の高さは約50m強、総工費80億円以上ともいわれています。もちろん10年前にはなかったものです。
その他、町にはスーパーができ、乾燥松茸や蜂蜜、石鹸が販売され、エンポリウム以外のお土産物屋がたくさんでき、様々な種類のお土産物が並んでいました。そして何より第五代国王と王妃の看板やポスターがそこら中に貼ってあったことが一番大きな違いです。
建物が増えたティンプー郊外
高さは50m強、総工費80億円以上の大仏
美しいゾンと、復旧を願うゾン
チャクラサンバラの法要のテレビ放送
ティンプーからドチュラ峠を越えモ・チュ(母川)と ポ・チュ(父川)に挟まれた中州に建つプナカ・ゾンでは、ちょうどチャクラサンバラの法要が行われており、たくさんの人々が集まっていました。昔から美しかったプナカ・ゾンの美しさは今も変わっていませんでしたが、プナカにほど近いウォンディ・フォダンのゾンは2012年6月に火事に見舞われ、残念な姿となっていました。各国からの援助でこれから復旧に入るとのことですので、早急な復旧を願いたいです。
また法要に訪れていた若者達にも変化がありました。インターネットの普及によってたくさんの情報が入ってくるようになり、流行に敏感な若者達の髪型やお化粧が大きく変わったそうです。女性の民族衣装キラも簡単に着付けができるハーフキラなるものが登場し、ファッションにも変化がありました。
美しいプナカ・ゾン
ウォンディ・フォダン・ゾン
美味しいご飯は昔のまま
民家訪問でも変化
前回ホームステイしたツェリンさんのお宅へ、今回は夕食をいただきにお邪魔しました。当時7才だった娘さんがすっかりお年頃になり、お母さんの代わりに料理を作ってくれました。美味しい料理はお母さん譲りです。お家も増築され、周りには道路もでき、すっかり変わっていたのですが、築110年の母屋は変わらず、以前から立派だった仏間は更に豪華になってました。
民家へ向う道路もできました
立派な仏間
念願のタクツァン僧院内へ
1998年の火事で、前回は僧院内に入ることができなかったため、今回の添乗では、タクツァン僧院のハイキングを密かに楽しみにしていました。猛々しいほどの断崖絶壁に立つ僧院への道のりは、けっして楽ではありませんが、僧院内部は他の寺院とは違った力強さと静謐さがありました。途中の景色は前回と変わらなかったのですが、レストハウスの手前には大きなマニ車が設置されており、昼食の内容もグレードアップしたように感じました。
断崖絶壁の僧院
11年前には無かったマニ車
変わったものと変わらないもの
ビルやマンションが建ち、道路やお店が新しくなり、ファッションや流行がどんどん入りこみ、11年前のブータンとは変わったものが今回たくさんありました。反面、はにかみながら手を振る子供達や、親切に教えてくれるご年配の方など、人々の優しさと温もりは昔と変わっていませんでした。
これからも変わらないで欲しいなんておこがましくて言えませんが、次回の添乗でも、人々の笑顔に癒されたいと密かに思っています。