ツアー名:野鳥の宝庫・春の飛島 4日間
2015年5月8日(金)~5月11日(月)
写真・文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)
今回は夕方酒田に集合し前泊、翌日から飛島2泊3日のツアーでした。3名の方が参加です。
5/9、初日、飛島へ渡る前にホテル近郊の最上川で早朝の鳥見。ちょっと肌寒い中ではありましたが、イソヒヨドリの縄張り争いや渡ってきたばかりのオオヨシキリ、まだ帰らない?コガモやタシギなどを観察しました。
波も穏やか、風も強くなく、酒田-飛島を結ぶ定期船「とびしま」は予定通りに出航し、航路では恒例のオオミズナギドリを観察しました。シロエリオオハムも出ましたが、飛んでいく姿の識別はなかなか難しいですね。
いよいよ飛島に上陸して探鳥です。今年の渡りは早く、草花の成長も早いようです。すでに藤の花が満開に近い感じです。小さく可憐なオオバナノミミナグサも出迎えます。また晴天続きだったため、鳥の数は少なめです。いつものこの時期なら歩く度に鳥が出てくるのですが、残念ながら今年は寂しい限り。それでもいつもは見上げるオオルリの姿を目線の高さでいくつも見ることができました。また、怪しいキビタキがいるとのことで現場へ行くと…リュウキュウキビタキ?はたまたキムネビタキでは?の噂もあり、その怪しいキビタキが出てくる度にシャッター音の嵐!結果、それはただのキビタキで幼羽からの換羽が著しく遅れているだけの個体でした。しかし、いい鳥が少なかっただけに大いに盛り上がった場面ではありました。
5/10、2日目。朝食前にもちろん鳥見です。どうやら、サンショウクイが結構入ってきたようで、そこかしこで群れを見ることができました。普段はオオルリ同様、見上げてばかり、あるいは飛ぶ姿だけ見ることが多いサンショウクイですが、ここでは目線の高さで見ることができます。
丸一日あるこの日は、朝食後もゆっくりと鳥見をしました。校庭ではムギマキ、オオルリ、ビンズイ、夏羽のカシラダカなどを、移動中の上空や巨木の森では真っ黒なカラスバトを、他センダイムシクイ、エゾムシクイなどを観察しました。ただ、情報があった珍鳥ムネアカタヒバリには出会うことができませんでした。鳥を求めて歩き回り、みなさんがつけていた万歩計は2万歩を数えていたようです。島中歩けば、やはりそれぐらいはなりますね。
5/11、最終日。比較的鳥が出てくる校庭へ向かう途中、昨日見逃したムネアカタヒバリを見ることができました。レンガ色の胸が綺麗でした。幸先がいい感じ?その他、カラスバトの美しい首の金属光沢を見たり、電線に止まるコシアカツバメ、そして大群となって何度も何度も行き来を繰り返し、大海原へ渡っていこうとするヒヨドリを見ることができました。最後はようやく珍鳥コホオアカとキマユホオジロがいるという情報が入り待ちましたが、時間切れで見ることができませんでした。残念。
鳥見を終え、「しまかへ」で昼食をとり、飛島をあとにしました。
今回は離島ならではの珍鳥三昧ではありませんでしたし、3日間で62種は例年と比べればとても少なめです。それでも島の渡りを多少なりとも実感することができたのではないでしょうか?参加者のみなさん、大変お疲れさまでした。ぜひまた、飛島で会いましょう!
【今回確認できた鳥達】
ハクチョウ・マガモ・カルガモ・コガモ・カラスバト・キジバト・シロエリオオハム・オオミズナギドリ・ヒメウ・ウミウ・アオサギ・ダイサギ・ツツドリ・カッコウ・アマツバメ・イカルチドリ・タシギ・ハマシギ・アカエリヒレアシシギ・ウミネコ・オオセグロカモメ・コアジサシ・ミサゴ・トビ・アオバズク・ハヤブサ・サンショウクイ・モズ・ハシボソガラス・ハシブトガラス・ヤマガラ・シジュウカラ・ヒバリ・ツバメ・コシアカツバメ・ヒヨドリ・ウグイス・エゾムシクイ・センダイムシクイ・メジロ・オオヨシキリ・ムクドリ・コムクドリ・クロツグミ・シロハラ・アカハラ・ツグミ・コマドリ・コルリ・イソヒヨドリ・コサメビタキ・キビタキ・ムギマキ・オオルリ・スズメ・キセキレイ・ハクセキレイ・ビンズイ・ムネアカタヒバリ・アトリ・カワラヒワ・シメ・イカル・ホオジロ・ホオアカ・カシラダカ・アオジ・クロジ・ドバト
※赤字は鳴き声のみ / 青字は最上川河口or航路上で見られた鳥
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