【バードウォッチングツアー添乗報告記】
春の上高地 2日間

ツアー名：春の上高地 2日間

2015年5月23日（土）～5月24日（日）
写真・文●ツアーガイド：峯尾 雄太(みねお ゆうた）

5/23～24、新緑のなか繁殖期の鳥達に会いに、かつて野鳥の楽園といわれた上高地へ行ってきました。今回ももちろん少人数ツアーです。さて、この頃は上高地での鳥の様子はどうなのでしょうか？

上高地バードウォッチング 1日目

期待と不安の入り混じる気分でバスに揺られ上高地バスターミナルへ着。気持ちの良い好天で、焼岳、穂高の山々がドドーンと迎え入れてくれました。新緑がまぶしく寒くも暑くもなく気持ちよい陽気！時間は昼過ぎですのでバスはガラガラです。

明日の早朝が本番ですから、かる～く足慣らしに宿まで森の様子を伺いながらお散歩。まずはサメビタキがブツブツつぶやいて出迎えてくれました。この鳥は空間のある林縁が大好きなようで、フライングキャッチ（飛びながら虫などを捕らえること）を盛んに繰り返していました。針葉樹ではメボソムシクイが囀り、キビタキ、アオジもピンクの可愛らしい口を開け囀っていました。河原ではセグロセキレイ、キセキレイ、イソシギとお尻フリフリ系3種が出迎えてくれ、マガモも綺麗な♂が姿を見せてくれました。鳥を見つつ、立ち止まっては歩いてを繰り返し、2時間弱で山荘に到着。明日に期待し、美味しい食事、コーヒーをいただき早めに就寝しました。

そうそう、上高地までの途中に松本でも1ポイント探鳥してきたのですが、これはシークレットなので、詳細がどうだったかは書かないでおきます。美味しいおそばを食べ、オオヨシキリやカッコウが囀り、ノスリ、オオタカを観察。ハクセキレイ親子は可愛かったですよ。クマタカの飛翔も見られました。

上高地バードウォッチング 2日目

事前の天気予報によると、本日は下り坂とのこと。それでも朝までは持つだろうと期待を胸に目覚めると、すでに暗いうちから窓の外では鳥たちの囀りが響いていました。予報も変わり、終日晴れ予想。ラッキー！

5時から朝飯前の軽い散歩。朝一は宿泊客や登山客しかいないので、とっても人影が少なく野鳥の声も良く聞こえるのです。オシドリは番（つがい）でお出迎え、キビタキの声が響きコサメビタキはフライングキャッチ。地上採餌のアオジの姿もあり、ミソサザイは小さい体を震わせ切り株で元気いっぱいに囀ります。エゾムシクイ、ウグイスの声も聞こえました。あっという間に2時間経ち、宿に戻り朝食をいただきました。

次いで昼過ぎまで散策しながら探鳥をする事に。宿のご厚意で荷物を預かっていただき、身軽になって再出発。今度は7キロほどのしっかり歩きです。のんびりペースですけど、疲れても引き返す必要があるので頑張ります。可愛い花々を愛でたり、鳥を探して上を見たりと大変ですが、そんな苦労もなんのその。ウソが鳴き、ビンズイが高い横枝を歩き、コルリは囀り、ニホンザルとキバシリが同時に出現し（もちろんサルはほったっらかしです）、アカゲラの幼鳥を見かけ、キビタキ♂の姿も見て、コガラのテリトリー争いを観察し、コサメビタキはペアで巣作り中、エナガは尾が曲がっており、オオルリは高い所で行ったり来たり。そして何といっても嬉しかったのは、コマドリの囀る姿に出会えたこと。倒木上で大きな声でいななく姿はまさに“駒鳥”だったのでした。また、ウグイスとミソサザイには何度も出会いがあり、まあ愛想のよいことよいこと。「もういいよおなか一杯！」と言いたくなるほどよーく観察出来ました。

探鳥を終えた後は、五千尺ホテルでリッチな昼食をいただき、すでに人でいっぱいになっているバスターミナルから上高地を後にしました。かつて野鳥の楽園といわれた上高地ですが、今回も沢山の鳥達を観察することができて一安心。観光客が増えてちょっと嫌なご様子でしたが、それでも我々の目を楽しませてくれました。ありがとう！みんな頑張って繁殖しろよ。

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【今回確認できた鳥達】

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<1日目>
アオバト、カッコウ、モズ、オオヨシキリ、ハクセキレイ、スズメ、ヒバリ、ムクドリ、キジバト、ノスリ、オオタカ、ハシブトガラス、ツバメ、サメビタキ、アオジ、キビタキ、コゲラ、イソシギ、セグロセキレイ、キセキレイ、メボソムシクイ、マガモ、ウグイス、コガラ、ヒガラ、クマタカ

<2日目>
オシドリ、マガモ、キジバト、コゲラ、アカゲラ、カケス、ハシブトガラス、キクイタダキ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、イワツバメ、ウグイス、エナガ、メボソムシクイ、エゾムシクイ、メジロ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、コマドリ、コルリ、サメビタキ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、キセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ウソ、ホオジロ、アオジ

おまけ ニホンザル

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