【バードウォッチングツアー添乗報告記】
12/11発 カリガネとシジュカラガン、ハクガン

ツアー名:カリガネとシジュカラガン、ハクガン

2016年12月11日(日) 
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 蕪栗沼日帰りバードウォッチング

 蕪栗沼日帰りバードウォッチング

ツアー開催日の明け方から降った雪は辺り一面を銀世界へと変えていました。日帰りツアーなので、この雪がどう影響するか? まずはシジュウカラガンを探しにいきました。今季はすでに1,000羽程度のシジュウカラガンが来ていますが、いつもと違い大きな群れでいることは最近はないようで、数羽の群れでちりじりなっている感じです。出会えるか?


銀世界のガンの群れ銀世界のガンの群れ

最初のポイントにマガンの大きな群れがいました。双眼鏡で確認していくと…おっと、いました、シジュウカラガン。群れの右端あたりに1、2、3…よく見ると7、8羽のシジュウカラガンが混じっています。距離を取り、車を降りてじっくり観察します。寝ている個体、餌をついばむ個体、様々です。白い頬がまさにシジュウカラという感じでかわいいです。白い首輪模様も特徴ですが、それがない個体もいました。幼鳥のようです。

また、すぐ脇の電柱ではハシボソガラスにちょっかいを出されるノスリが止まっていました。時折、「ピィ、ピィ」と鳴いています。まるで「やめてよぉ」と言っているようです。

一通り観察し、いつもシジュウカラガンが大群でいる場所へ向かいました。いくかのマガンの群れを見ながらさらに探すことしばし。これまた大きなマガンの群れにシジュウカラガンがいました。コハクチョウ、オオハクチョウもいます。ここでまた車外で観察です。先ほどよりは近い距離です。思い思いに観察撮影しました。残念ながら、この後もシジュウカラガンの大群には出会えませんでしたが、合計15羽程度のシジュウカラガンを観察できました。


シジュウカラガンシジュウカラガン

次はハクガンです。今季は少なくとも6羽のハクガンが来ていますが、どれもばらばらに行動しているようです。そのうち1羽は同じ場所で見られることが多いので、その場所へと向かい探します。銀世界の中ではマガンは目立ちますが、ハクガンは溶け込んでしまいます。無事見つけられるでしょうか?

マガンと一緒にいることが多いので、まずはマガンの群れを探します。いくつかのマガンをチェックし、背景の雪に溶け込んでいるハクガンを探し出しました! ちょっと距離はありますが、綺麗な成鳥です。畦に上がり、まるでお立ち台にいるようです。みんなでじっくり観察します。ピンク色の嘴と脚、そして黒い初列風切。餌を採ったり歩いたり。真っ白な姿は英名SnowGooseの通り、雪のようです。


ハクガンとマガンハクガンとマガン

充分堪能したので移動します。今度は蕪栗沼周辺の田んぼを回り、他のシジュウカラガンやハクガンがいないか探します。その矢先、堤にシギがいるのを見つけました。よく見るとなんとオオハシシギです。しかも3羽。これはラッキー。蕪栗沼には毎年来ますが、なかなか見られないシギです。オオハシシギを観察していると、その後ろにもシギが…。ハマシギ1羽とイカルチドリ2羽でした。遠くにはコチョウゲンボウも止まっていました。なかなかのおまけにみなさんもにっこり。

さてさて、肝心の珍ガン探しの方は残念ながら見つかりませんでした。それでも比較的多くのマガンの群れが何ヶ所かに降りていました。蕪栗沼もじっくり回りたいところですが、日帰りなのでそうもいきません。駐車場でチュウヒ、そしてヒシクイの亜種オオヒシクイなどを見て、最後はカリガネを探しに向かいました。


観察風景観察風景

カリガネはマガンにそっくりで何千羽ものマガンの群れからたった1、2羽を探し出すのが醍醐味でもあり、難しさでもあります。しかし、カリガネが群れで見られる場所があります。そこなら、比較的簡単に、しかもいくつもの家族群に出会えます。現場に到着し、探すことしばし…。いました! 5羽の家族群のようです。まずは一安心。しかし、いささか逆光気味でよく見えなかったので、ちょっと移動して観察しました。濃いピンク色の嘴、広い額の白色部、そして黄色いアイリング。いつ見てもカリガネはかわいい! 再び移動した先では、10羽以上のカリガネがいました。今度は光もいい感じです。畦に上がってよく見えます。陽も傾き始め、ねぐら入りが近づいていたのでどの個体も餌とり夢中です。


カリガネカリガネ

充分カリガネを堪能し、我々も帰る時間が迫ってきました。日帰りという短い時間の中、目的のハクガン、シジュウカラガン、カリガネ、そしてマガンにオオヒシクイと、蕪栗沼周辺に飛来しているすべてのガン5種を見ることができました。みなさん、お疲れさまでした。


【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい


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【今回確認できた鳥達】


マガン、カリガネ、シジュウカラガン、コハクチョウ、オオハクチョウ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、キンクロハジロ、オナガガモ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、オオバン、イカルチドリ、オオハシシギ、ハマシギ、トビ、チュウヒ、ノスリ、コチョウゲンボウ、モズ、カケス、ハシボソガラス、ヤマガラ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、ベニマシコ、カシラダカ、ミヤマガラス?、ドバト 計43種



 

風の鳥日和