【バードウォッチングツアー添乗報告記】
12/23発 年の瀬 根室の小鳥たちと海鳥たち 3日間

ツアー名:年の瀬 根室の小鳥たちと海鳥たち 3日間

2016年12月23日(金・祝)~12月25日(日) 
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 冬の根室バードウォッチング 1日目

荒れましたねー。よりによってツアー前夜から荒れ始めた北海道。一足先に北海道入りしていたガイド・簗川もこれから飛行機に乗る参加者のみなさんもはらはらどきどきしながら運行状況を気にしていました。条件付きで飛び立った飛行機は、なんとか中標津空港に降り立ってくれました。


強風に耐えるオオワシ強風に耐えるオオワシ

さて、この時期は日の入りがもっとも早い時期なので、急ぎ野付半島へ向かいました。海は大時化、たくさんのオオセグロカモメが舞っています。強風でいつも電柱や結氷した野付湾にいるオジロワシやオオワシの姿はありませんし、狙いのコミミズクも飛んでくれませんでしたが、波打ち際で強風に耐えるオオワシの群れとエゾシカ、キタキツネを見て、初日を終えました。


 冬の根室バードウォッチング 2日目

今日も風はまだ強いようです。まずはユキホオジロを狙いに春国岱へ向かいます。道中、昨日大時化だった海はだいぶ落ち着いていたのが見えました。

春国岱も強風でしたが、早速ハシブトウミガラスのお出迎えです。首を縮めてこちらの方にゆっくりと泳いできます。上空にはオオワシやオジロワシ、ユリカモメ、オナガガモなどが風にあおられながら飛んでいきます。お目当てのユキホオジロとハマヒバリを探しますが見つからず。飛んでもきません。残念ながら時間切れです。


カモメ群映カモメ群映

気を取り直して、今度は市民の森ハイドで餌台に来る小鳥を楽しみます。30cmほどの雪の中を歩いてハイドへ向かいました。ハイドではハシブトガラ、亜種シロハラゴジュウカラがひっきりなしに目の前にやってきました。シジュウカラもいます。時折、亜種エゾコゲラもきましたし、アオジもうろちょろしていました。楽しいひと時です。


シロハラゴジュウカラシロハラゴジュウカラ

今度は海の鳥を見に納沙布岬方面を目指します。途中、地元で有名な弁当などを買っていきました。んー、おいしい!

最初の港ではウミスズメが3羽!ワシカモメ幼鳥も。強風の中ハイドへ入り、お目当てのチシマシギを探します。ここでしか見られない限定の鳥です。大海原にはクロガモ、シノリガモ、シロエリオオハム、ミツユビカモメなどがいました。しかし、粘ってもチシマシギは出てきてくれませんでした。

また移動して港巡りです。狙い通りビロードキンクロ♂、ホオジロガモの他、コオリガモ♂も観察できました。


コオリガモコオリガモ

今度はいよいよ最東端の納沙布岬です。まずはここ限定のチシマウガラスを…と思ったら、いつもいる場所にいません。どうやら強風で止まっていないようです。付近を探しましたがいませんでした。残念でなりません。

それでもオオワシやオジロワシが頭上を飛んだり、緑色の金属光沢がきれいなヒメウを見ることができました。ここにもハイドがあるので、ハイドから海鳥、そして北方領土を見ました。


オオワシ飛翔オオワシ飛翔

宿へ向かう途中の港では、おびただしい数のカモメの群れ。よく見るとワシカモメ、シロカモメが混じっていましたし、クロガモ、そしてコオリガモなどを見て宿へ向かいました。


 冬の根室バードウォッチング 3日目

強風に悩まされた2日間、最後の1日は風はだいぶ収まる予報です。検討の結果、ここならではの鳥に絞り、納沙布岬でチシマウガラス、春国岱でユキホオジロとハマヒバリを探すことにしました。快晴で納沙布岬からは北方領土もくっきりと見えました。

さて、肝心のチシマウガラスは? んー、いつもの岩にヒメウはいるもののチシマウガラスはいませんでした。残念! 急ぎ、春国岱へ向かいます。


ヒメウヒメウ

冷え込んだ朝だったため、春国岱は少し結氷していましたが、初日よりはずっといい条件です。あまり時間がないため焦ります。今朝はユキホオジロ30羽ほどの群れを見た方がいるようですが、かれこれ1時間は出ていないとのこと。なかなかユキホオジロもハマヒバリも出ません。

すると1羽の鳥が舞い降りたかと思ったら、すぐ飛び去りました。参加者の1名がその一瞬を捉え画像を見ると…なんと、ツメナガホオジロです! これは思いがけない出会いでした。結局、ユキホオジロとハマヒバリを見ることはできませんでした。


ハシブトガラハシブトガラ

天候に翻弄されたツアーとなってしまいましたが、厳しい冬を生き抜く根室の色々な鳥たちを見ることができました。参加者のみなさん、本当にお疲れ様でした。


*写真はご参加の方からご提供いただきました。ありがとうございました。



【今回確認できた鳥達】


オオハクチョウ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、ホシハジロ、スズガモ、シノリガモ、ビロードキンクロ、クロガモ、コオリガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ウミアイサ、アカエリカイツブリ、ミミカイツブリ、オオハム、シロエリオオハム、ヒメウ、トウネン、ユリカモメ、ミツユビカモメ、カモメ、ワシカモメ、シロカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ハシブトウミガラス、ケイマフリ、ウミスズメ、ウトウ、トビ、オジロワシ、オオワシ、ハイイロチュウヒ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ハシブトガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ゴジュウカラ、ツグミ、スズメ、ウソ、ツメナガホオジロ、アオジ 計47種 
※番外:ドバト、エゾシカ、キタキツネ、ゼニガタアザラシ?


 

風の鳥日和