ツアー名:【夜行日帰り】山と森、高原の夏鳥 尾瀬
2017年6月24日(土)~6月25日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太(みねお ゆうた)
【夜行日帰り】尾瀬バードウォッチング
風の鳥日和では初の尾瀬バードウォッチング。前夜22時に新宿駅へ集合し、夜行バスは尾瀬に向けて出発します。早朝4時過ぎに戸倉へ到着。さらに小型バスに乗り換え、鳩待峠へ向かいました。
到着するとガスがかかり雨も降っていました。残念ながらしばらく小雨模様が続くようです。山歩きの方々は早々に出発しどんどん歩いていきますが、我々はゆっくりトイレと朝食、準備を済ませて出発しました。
林に入ってすぐにコルリの声が響きます。近くにいるようですが、ガスと雨でうまく見つけられません。コマドリもいましたが、やはり林内は暗くなかなか発見できず。残念ですが、ここはあきらめ針広混交林の木道を下ります。するとエゾムシクイやメボソムシクイ、オオルリの声が聞こえ始め、ようやく天候回復の兆しが出てきました。
キビタキやミソサザイ、ゴジュウカラの姿を近くに発見。再度、広葉樹林冠部にて大きな声でさえずっているコルリも登場し、今度はじっくり観察することができました。
雨も止みようやくバードウォッチングがしやすい環境になってきましたが、木道の脇にはまだ残雪があります。足元にはシラネアオイやニリンソウなどが咲いていました。
大きくなってしまったミズバショウが谷間に目立つようになったころ、空は明るくなりハチクマとハリオアマツバメが待ちわびたかのように飛び始めました。もう天気の心配はなさそうです。
マミジロのさえずりを聞きながら、のんびり歩いて山ノ鼻に到着。山小屋にイワツバメのコロニーがあり、賑やかに巣材を集める様子を観察しました。巣立ち間際と思われるアカゲラの幼鳥が巣穴から時々顔を出しています。巣立ちを促すためでしょうか、親は見かけませんでした。
いつしか汗ばむ陽気なってきました。山の鼻の先からは湿地の草原エリアです。カッコウとホトトギスが声を枯らしながら盛んにさえずっていました。カッコウは尾を上げていかにもカッコウらしいポーズです。私のお気に入りのモズも良く鳴いています。
ノスリが枯れ木で探餌中。オオジシギの声もします。ノビタキはさえずりやさえずり飛翔の他に、蝶の捕食や餌運びも観察できました。ホオアカも草原の樹木ソングポストで長時間さえずってくれました。
湿地らしい野草もたくさん観察することができました。足元ではタテヤマリンドウやヒメシャクナゲ、ワタスゲなどの可愛らしい花々が咲いています。これから夏にかけて様々な花が綺麗に咲くのでしょう。
牛首分岐手前のベンチまで進んで、程よく散策した後はランチ休憩。その後、往路を引き返しながらコムクドリやニュウナイスズメを観察しました。
見た目がユニークな浮島のある池ではオシドリがペアで休んでいました。この湿地は爬虫類天国でもあり、ツチガエルやモリアオガエル、シュレーゲルアオガエルにアマガエル、アカハライモリもいました。
往路の天候不順で観察不良だったオオルリもじっくり観察でき、予定通り散策終了です。クロジのさえずりと、カッコウ類4種のさえずりを堪能して、往復ほぼ10kmの行程でした。
朝のうちだけ雨に降られましたが、日中は過ごしやすい陽気となりました。多くの野鳥たちを観察できて、気持ちの良い高原散策でした。「遥かな尾瀬~♪」と確かに遠いですが、夜行バスで効率よく観察する尾瀬のツアーは来年も開催予定です。ご参加をお待ちしています。
【今回確認できた鳥達】
オシドリ・キジバト・ジュウイチ・ホトトギス・ツツドリ・カッコウ・ハリオアマツバメ・オオジシギ・ハチクマ・ノスリ・コゲラ・アカゲラ・モズ・カケス・ハシブトガラス・コガラ・ヒガラ・シジュウカラ・ヒバリ・イワツバメ・ウグイス・メボソムシクイ・エゾムシクイ・ゴジュウカラ・ミソサザイ・コムクドリ・マミジロ・コマドリ・コルリ・ノビタキ・キビタキ・オオルリ・ニュウナイスズメ・キセキレイ・ハクセキレイ・ホオアカ・アオジ・クロジ