ツアー名:日帰りでチゴハヤブサ親子を楽しむ
2017年8月27日(日)
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)
日帰りでチゴハヤブサ親子を楽しむ
北日本、東日本の今年の夏は天候不順で夏らしくない夏でした。私の住む山形県も雨が多く暑くない夏でしたが、この天候が鳥たちの繁殖にどう影響したか気になります。
ツアー予定地では、今年は3つがいのチゴハヤブサが子育てをしました。どれも平年より4~5日程度早い巣立ちで、ツアー日にはもうあちこち飛び回っているだろうと予想していました。3つがいのうち、2つがいのチゴハヤブサを見ることにしました。
ツアー当日は晴れましたが、気温は30℃程度で猛暑ではなかったのが幸いでした。
まずは1ヵ所目。到着後しばらくはチゴハヤブサの姿はありませんでしたが、幼鳥が1羽飛んできて一安心。やはり、もう幼鳥もかなり飛び回っていたようです。ここで一足先に巣立ったであろうチョウゲンボウも飛んでいます。
すると、やや遠くの杉のてっぺんに♂親が止まっているのを発見。チゴハヤブサ独特の下腹部の赤褐色、尾より突き出た初列風切などを確認し合いました。また、付近にはチゴハヤブサが食べたであろうカワラヒワなどの小鳥の羽根がいくつも落ちていました。昼食を食べに移動する時には、進入してきたカラスにモビングするチゴハヤブサの姿も見ることができました。
お昼は近くの蕎麦屋で、山形名物の冷たいラーメンや蕎麦を食べ、午後からは2ヵ所目へ移動です。到着早々、櫓(やぐら)にチゴハヤブサの姿を見つけました。お気に入りの場所です。杉には幼鳥もいました。ここは空間が広いため、空中でトンボやセミを捕るチゴハヤブサを何度も見ることができました。親はほとんど失敗せず捕まえます。しかし、幼鳥はまだうまく捕まえられないことも多いのですが、それがかえってほほえましく、「がんばれよ!」と心の中でつぶやきます。
今年は巣立ちが早かったため残念ながら巣立ち後の幼鳥への給餌は見ることはできませんでしたが、一段とたくましくなった幼鳥もいいものです。あと2~3週間程度でまずは親が旅立ち、遅れて幼鳥も旅立ちます。これから先は幼鳥と言えどもそれぞれ1羽で旅を続けなければなりません。それまでの間、生き延びる術を習得してくれることを願いツアーを終えました。
参加者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい
【今回確認できた鳥達】
キジバト、ダイサギ、アオサギ、トビ、ノスリ、チョウゲンボウ、チゴハヤブサ、オナガ、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ