【バードウォッチングツアー添乗報告記】
11/11発 圧巻!伊豆沼・蕪栗沼15万羽のガン 2日間

ツアー名:圧巻!伊豆沼・蕪栗沼15万羽のガン 2日間

2017年11月11日(土)~11月12日(日) 
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 伊豆沼・蕪栗沼 1日目

発達中の低気圧の影響で強風の中、古川駅を出発、まずはハクガン成鳥と幼鳥が出ている場所へ向かいます。いつもいる場所を回りましたが、あいにくいません。なんとしたことか。開始早々嫌な雰囲気です。たまにいないこともあるので無理せず、次の目的へと切り替えます。

蕪栗沼周辺には所々にマガンが降りています。大きな群れを見つけたので順光側に回り1羽1羽チェックしていくと…いました! シジュウカラガンです。10羽程度いるようです。近年、数が増えましたが昨年からは何故かあまり出会わなくなったため、今回のツアーでは一番難しいかなと思っていただけに安心しました。


シジュウカラガンの群れシジュウカラガンの群れ

今度はカリガネのポイントへ。移動中を利用して、マガンの群れの中からカリガネをあっという間に見つける方法を伝授しました。あとは実践あるのみ! 現場に到着し、たくさんのマガンの中からカリガネを探します…いました! 遠いながらも数羽います。ただ、「マガンの群れの中からカリガネをあっという間に見つける方法」はいささか難易度が高いようで、参加者のみなさんにはちょっと苦労していました。それでもみなさん一同に「かわいい!」を連発。小さく濃いピンク色の嘴や黄色いアイリングがあいまってか、カリガネは本当にかわいく見えます。

また少し探して、今度はマガンの群れのそばにいるカリガネに歩いて近寄ってみます。普段、鳥に近づくためには車が有効ですが、ガンは時と場合によっては歩いて近づいた方がいい場合があります。案の定、車よりも近い位置で観察することができました。それにしても強風です。望遠鏡が風で揺れてなかなかうまく見えません。それでも参加者全員が無事堪能することができました。


カリガネの群れカリガネの群れ

さて、ねぐら入り観察の前に再びハクガン探しです。するとシジュウカラガンが群れで降りていました。30羽ほどでしょうか。そしてハクガンを探すことしばし。いないなと思っていたら、なんと目の前に出てきました。遠くの方ばかり見て、目の前をよく見ていませんでした。逆光でしたが、マガンと一緒にいる成鳥1、幼鳥1を間近に観察。すると群れは飛び立ち、やや離れた場所へと飛んで行きました。


ハクガン成鳥と幼鳥ハクガン成鳥と幼鳥

そちらへ移動し、やや距離はあるもののほぼ順光で見ることができました。タゲリもいたようです。これでマガン、シジュウカラガン、カリガネ、ハクガンと順調に観察できたことになります。残りはオオヒシクイですが、これは翌日に見ることにし、今日のハイライト、蕪栗沼で落雁観察をすることにしました。日の入りにはまだ時間があるので、しばしガン以外の鳥を観察します。ノスリ、コチョウゲンボウ、チュウヒを観察。

そうこうしているうちに日の入り時間となり、続々とガンが帰ってきます。おびただしいガンの群れが特に東からやってきます。鉤(かぎ)になり竿になり、強風の中、きりもみして沼へ降りていきます。一体こんなにどこにいたのかと思うほどのものすごい数です。まさに圧巻! 強風は相変わらずでしたが、そのお陰で普段はすぐ湖面に降りるガンもゆっくりとした速さで、時には風に流されながらねぐら入りしていました。


ねぐら入りするマガンの群れねぐら入りするマガンの群れ


 伊豆沼・蕪栗沼 2日目

ガンのねぐら立ち、いわゆる雁行を見に暗いうちに出発です。ねぐら立ちも蕪栗沼です。今日は風も収まり、いい感じです。

モズが鳴き出し、ジョウビタキ、ベニマシコが近くで見え隠れします。ガンたちは早いものは数羽から数十羽の群れで飛び立っていきました。そして日の出時間を迎えた頃、まるで地響きのような、あるいは列車が通り過ぎるような「ゴゴゴゴゴゴゴォォォ…」という物凄い羽音とともに何万羽ものガンが飛び立ちました! 奥の方から大群が次々に通過して田んぼへ向かっていきます。いやはや、物凄いです! 結局、ガンは3つの大きな群れに分かれてねぐら立ちしたようで、3度も大感動を味わうことができました。


ねぐら立ちするマガンの群れねぐら立ちするマガンの群れ

朝食後は再び蕪栗沼です。まずは遠くに止まっていたオジロワシを観察。今度は散策路を歩き、オオヒシクイ、そしてツルシギやタゲリを観察しました。南側へ移動し、コハクチョウとオオハクチョウの新たな識別法やシジュウカラガンと他のガンの尾の違いなどの話をしました。その時、偶然にもシジュウカラガンが飛んできて、早速、話が役立ちました。


ツルシギ3羽ツルシギ3羽

今日のお昼は郷土料理を食べることにしました。この辺りでは「はっと汁」が有名なので、その店でみなさんそれぞれにお腹を満たしました。

残り時間もわずか。伊豆沼をさらりと回り、再びカリガネを見てツアーを終えました。一泊二日という短い日程でしたが、たくさんのガンを見ることができました。特にねぐら入り、ねぐら立ちの数に圧倒され、「生命」を感じる素晴らしい時間を過ごすことができました。参加者のみなさん、強風の中、大変お疲れさまでした。


【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい


クリックでPDFファイルが開きます


【今回確認できた鳥達】


ヒシクイ、マガン、カリガネ、ハクガン、シジュウカラガン、コハクチョウ、オオハクチョウ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、クイナ、オオバン、タゲリ、ツルシギ、トビ、オジロワシ、チュウヒ、ノスリ、カワセミ、コチョウゲンボウ、モズ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ、ベニマシコ、ホオジロ、オオジュリン 計49種



簗川さん同行ツアーはこちら!

【バードウォッチング】

終了ツアー 初春の八郎潟・ハクガンの群れとオオワシ・オジロワシ 2日間

出発日設定2020/03/07(土)
ご旅行代金58,000円
出発地秋田駅
jp-bird-132 jp-bird-132

終了ツアー





関連よみもの

「風の鳥日和」 ガイド・レポート一覧
「風の鳥日和」 スタッフブログ一覧

「風の鳥日和」 パンフレットのご請求・お問い合わせはこちらから

 

風の鳥日和