ツアー名:【週末開催】さえずる夏鳥たち 春の戸隠高原 2日間
2018年5月12日(土)~5月13日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太(みねお ゆうた)
土日でないと参加出来ないお客様も多いということで、今年の戸隠ツアーは平日開催と週末開催の二本立てで催行されました。前回の平日バージョンから3日挟み、再びバードウォッチングの聖地・戸隠へ。前回は雨に祟られましたが、今回の予報は2日間ともギリギリ持つ予定です。しかし、やっぱり色々ありました…。
春の戸隠高原 1日目
長野駅で名物のおやきを購入し、バスで戸隠植物園に到着。快適な陽気です。戸隠山が良く見える「みどりが池」でランチのあと、たくさんの野鳥との出会いにワクワクしながらスタート。
森の葉の展開は少し進んだ様子ですが、鳥が見つけ辛くなるほどではありません。早速、ノジコやコサメビタキ、キセキレイ、キバシリが我々を迎えてくれました。
ミズバショウは数日前よりだいぶ大きくなっており、森はとても良い香りです。すでに昼時なので渋めですが、アオジやミソサザイがさえずる姿を確認できました。
池にいるペアのカイツブリやコサメビタキの造巣活動、巣に座るカワラヒワの♀、サンショウクイの巣なども見つけました。営巣の邪魔はせず、嫌がられたら中止するルールを心がけたいですね。
ガイドからのお願い
もし営巣中の巣を見つけても、遠くから観察して繁殖に影響が出ないようにしましょう。木道や登山道で観察する際は、道をふさがないように気をつけましょう。マナーの良いバードウォッチングをお願いします。
個体が少ないかなぁと心配だったキビタキのフライングキャッチを観察し、アカハラも何度か姿を現しました。その他、アカゲラやオオアカゲラの餌を探す様子も確認できました。
さらに進むと、この日のメインイベント(!?)が。なんとびっくり、ツキノワグマがこれから進む先の木道を闊歩しています。
安全を優先して引き返すか迷いましたが、少し離れた湿地におりてミズバショウの花をムシャムシャ食べています。その後、こちらを気にする様子もなくゆっくり茂みに去っていきました。
キバシリやアオジなどをひとしきり観察した後に戻ってくると、先ほどのクマが今度は木の上でお昼寝中。若めのクマのようですが、なかなか図々しい個体ですねぇ。
よだれを垂らしながら寝ている姿をじっくり眺めた後、誰かがクマに近づきすぎて立ち入り規制がかからないことを祈りつつ宿入りしました。
今回ももちろん「山の庭 タンネ」さんです。お風呂、それからとても美味しい夕飯をみんなで楽しみ一日が終わりました。
春の戸隠高原 2日目
フクロウやツツドリ、ホトトギスの声を聞きながら、目覚まし時計が鳴る前に起床。4時45分、日の出と共に早朝探索スタートです。
天気は予報よりも少し悪化傾向のようで暗いですが、キビタキやアオジ、ミソサザイなど、重なるようなさえずり声のシャワーを浴びながら進みます。
幸いクマ出没による立ち入り規制もなく、いつも通りに散策が可能な状況です。今回のメインのひとつだったコルリは3個体ほど見られました。
その他、クロツグミやアカハラ、ノジコなどを観察し、朝食のために一旦宿へ戻りました。残念ながらコマドリやクロジ、オオルリは未確認という結果でしたが、こういう年もありますね。
宿の食事でリフレッシュし、お弁当を持って再出発。しかし、ここで雨が降り出し傘の出番となりました、とほほ。
前回の戸隠ツアーの時に覚えた雨の日の観察スタイルが早速生きましたが、まさか、一週間も経たずに活躍するとは思いませんでした…。
サンショウクイの求愛給餌、雨でもさえずるミソサザイやアオジ、みどりが池のコガモの交尾(繁殖するのか!?)や、キビタキ♂の3羽のバトル、オオアカゲラ♂の長時間に渡る餌とり等を観察し、この日も終了となりました。
天気やツキノワグマに振り回されたものの、春の連続戸隠ツアーが無事に終わりほっとしています。
夏鳥が満喫できる聖地・戸隠は、私のおすすめの探鳥スポットです。早くも来年のツアーを設定しましたので、ぜひ、皆様ご一緒しましょう。
【今回確認できた鳥達】
カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、ホトトギス、ツツドリ、ハチクマ、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、モズ、カケス、ハシブトガラス、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メボソムシクイ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、クロツグミ、アカハラ、コルリ、コサメビタキ、キビタキ、ニュウナイスズメ、キセキレイ、カワラヒワ、マヒワ、イカル、ホオジロ、ノジコ、アオジ 番外:ツキノワグマ