ツアー名:アマツバメの大群!ツバメ類を観察 伊豆半島バードウォッチング
2018年7月15日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太 (みねお・ゆうた)
「夏の探鳥は高原に限る!」と、まぁそれが理想ではありますが、今回は暑いけど鳥も熱い伊豆で、ツバメ類の観察をしてきました。予報では関東が35℃になるとのことで、塩飴をなめてもらったりと熱中症に細心の注意をして観察開始です。
伊豆半島バードウォッチング
駅に集合、まずは駅舎で繁殖しているコシアカツバメを観察。2羽で巣への出入りを繰り返しています。飛び方や電線にとまった時の模様や声、それから巣の形など、見比べるポイントは多数です。
移動して本番のアマツバメのコロニー前へ。足元は岩で危ないので歩行に集中し、人にぶつかったり転んだりしないように気をつけながら到着。
この日はアマツバメの状態がとても良かったです(過去イチかも)。一番多くなった時で500羽前後の群れが乱舞し、たまに手で捕まえられそうな距離に飛んできました。繁殖以外は地上に降りず飛びっぱなしと言われるアマツバメは、断崖絶壁にコロニーを作って暮らしています。
上昇風に乗ってふわふわと漂っている個体、集団お見合い(スクリーミングパーティと呼ばれる)をしている集団、飛びながら羽繕いや身震いをしている個体、交尾と思われる尾をクロスする行動をしている個体、岩の隙間で縦にとまって休んでいる個体、雛のために虫を捕って岩の隙間に飛び込んで入っていく個体、岩の隙間の草で出来た巣にいる雛、その脇で見守っている親と思われる個体など、頭上をぶんぶん飛んで我々を楽しませてくれます。じっくり観察していると、各々のドラマが垣間見えるんですよね。
アマツバメは標高の高いところや渡りのポイントなど普段の探鳥中にも見かけますが、細かい部分の腹の網網模様や腰の白色、鳴き声や口の大きさなどは見損なうことが多いですね。今回は細部までしっかり見られたと思います。
ところでいつも不思議に思いますが、あれだけのアマツバメが頭上を乱舞しても肩や頭に糞が落ちてきて「ウンが着いた」ことがありません。なぜでしょうか。
そしてなんと、今回は部分白化のアマツバメも確認。とても不思議な色合いをしていて、まるでセキセイインコのようでした。
さらにレアキャラのオヒキコウモリも20頭くらいばっちり観察し、あっというまの4時間が終了。アイスクリームを食べて帰路へつき、熱中症にもならずに無事解散しました。
なかなかこの探鳥の良さを伝えきれず、数年来催行に至っていませんでしたが、念願かなってようやくこの地にお客さんとご一緒する事ができました。東京から電車で3時間かけての集合なので、正直遠いですが訪れる価値はあります。
伊豆なのに海に入りもせずにバードウォッチングだけ! って、我ながら変わっていると思いますが、人と違う、それが嬉しくもありますよね。これからは夏の必須行事にしたいと思います。興味がある方は、騙されたと思って是非来年お越しください。
【今回確認できた鳥達】
アマツバメ、コシアカツバメ、ハシブトガラス、スズメ、ガビチョウ、アオゲラ、ウミネコ、メジロ、キジバト、ヒヨドリ、カワラヒワ