講座名：冬の外房 河口で観察 一宮川
2019年1月13日（日）
文●ツアーガイド：峯尾 雄太 （みねお・ゆうた）
外房線の上総一ノ宮駅改札前に集合。この日は冬晴れ強風予報で、バードウォッチングにはちょっと難ありだという状況です。
冬の外房バードウォッチング
駅前からスタートして、一宮川河川敷に出た所から観察開始です。すぐにマイラバーのモズが現れ個人的にはとても幸先いいスタートになりました。
モズ川面のカモはとても多く、昨年の倍くらいはいるようです。それらを1羽1羽チェックしながら進みます。ヒドリガモやカルガモ、オナガガモが特に多く、次いでコガモとマガモ。昨年見つけたトモエガモもいないか探しましたが、今年は見つからず残念です。
一宮川カンムリカイツブリやイソシギ、ホヤ？をくわえたオオバンなどを観察しながら、のんびり進むときれいに堤防に植えられたスイセンの良い香りがしてきます。河原ではダイサギやホオジロ、アオジにも出会えました。
オオバン河口まで歩く途中ではホオジロガモの♂♀が現れ、ペアで仲良く潜水を繰り返している様子をじっくり観察できました。その後もカワセミやイソヒヨドリ、スズガモなどを観察しながら進みます。
スズガモしかし相変わらず風が強い、そして寒い！ 海に出たらいったいどうなってしまうのか！？ 海況も気になり、とても心配ですが、トイレ＆昼食を済ませていよいよ海辺へ向かいます。
多くのサーファーで賑わう浜の奥が目的地です。やはり物凄い強風！ 波も高いです。安全優先で波のかぶるテトラポットには近寄らず、海面を探すとすぐ目の前にウミスズメが2羽！
ウミスズメ波の透明度は高いので、波間に潜り探餌する“海中を飛ぶ”姿をじっくり観察。「ピィーッ！」という声も聞こえます。
その近くにはミミカイツブリの姿も。波打ち際に小魚がいるのでしょうね、ウミスズメ同様に我々を気にすることなく漁を繰り返していました。
海中を飛ぶウミスズメ沖にはクロガモがおり、サーファーの皆さんの間を移動する様子が観察できました。ちょうど色目も名サーファーのウェットスーツのようです。今年はクロサギの姿は見られず残念。
クロガモ「バヒューッ、シュゴーッ」と音を立て抜けていく風を背に受けながら観察を続けていると、テトラポットの近くにシノリガモの群れが現れました。さらに沖ではアビの姿もパラパラ。
おっ！ ビロードキンクロの姿もあります！！ 波間に消えたり見えたり、飛んでは降りてという動きを繰り返していました。
ビロードキンクロ悪条件の中でも思わず集中しちゃうくらいの出現があり、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ぼちぼちだなと海から離れると風は弱まり、防風林のありがたみを再確認。
海辺での観察風景帰りは田園地帯を通りタヒバリ、ホオアカ等を観察しながら戻り、駅にて解散。終了後は定食屋さんでお魚を食べて満足です。強風で寒かったですが、冬の海ガモ堪能も悪くないでしょう！？ こんな厳しい天気だから出会えた鳥もいたのかもしれません。
やはり鳥との出会いは「出かけたもの勝ち」だなあとつくづく感じました。また来年ですね！
【今回確認できた鳥達】
ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、シノリガモ、ビロードキンクロ、クロガモ、ホオジロガモ、カンムリカイツブリ、ミミカイツブリ、キジバト、アビ、カワウ、ウミウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、タシギ、イソシギ、ウミネコ、ウミスズメ、トビ、カワセミ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、イソヒヨドリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ、ホオジロ、ホオアカ、アオジ、ドバト
