ツアー名:渡り鳥の楽園 春の飛島3日間
2019年5月12日(日)~5月14日(火)
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)
春の飛島バードウォッチング 1日目
晴れの日が続いていて、日に日に鳥たちは減ってきている中、スタートしました。まずは校庭に向かいます。途中イソヒヨドリの♂や♀が目立つ所に出てきて出迎えてくれました。
岩礁では、ウミウの群れの中に1羽のヒメウが混じっていました。この時期はヒメウもだいぶ少なくなっています。
校庭到着です。昨日まではチフチャフやコホオアカ、キマユホオジロなどの珍鳥がいましたが、到着した時にはそれらの姿はありませんでした。昼食をとりながら何か出てくるのを待ちます。
最初に出てきたのは珍鳥キマユホオジロ♀でした。この時期にまだいてくれました。
ノジコも来ましたが、葉の陰でよく見えません。そうこうしていると今度は珍鳥コホオアカが出ました。かわいいです。その他、まだ居残っているジョウビタキ♀も見ることができました。
ヘリポートへ向かう途中、今話題の珍鳥ノドグロツグミ♂が見やすいとの情報が入りました。予定を変更し急遽向かう事に。現場に到着すると、70m先では多くのカメラマンがこちらに向けてカメラを構えていました。我々とカメラマンの間にきっとノドグロツグミ♂が出てくるのでしょう。
待つことしばし…。路肩に上面が灰色で喉が真っ黒い鳥が出てきました。珍鳥ノドグロツグミです。あっさりと見られました。時々、側溝に降りては何か食べているようです。ノドグロツグミは珍鳥が多く見られる飛島でも、そうそう見ることはできません。これはかなりラッキーです。本土側で見ることはおそらくほとんどないと思われたので、時間をかけてじっくりと観察しました。
その後、ハヤブサを見て、今度はこれまた珍鳥のシマゴマを見ることにしました。ポイントでしばし待ちます…。出ました! と思ったら、ノゴマ♂でした。しかし、これもいいです。
さらに待ちました。出ました! 今度はシマゴマです。尾をちょこんと振りながら、地面を歩いて餌を探しています。かわいいです。シマゴマは藪の中にいることが多いので、これまたラッキーです。
春の飛島バードウォッチング 2日目
5/13。朝からいい天気です。でも、こんな時は鳥がいない日が多いのでちょっと心配です。朝食前にカラスバトの観察です。ポイントで待ちます。
鳴き声はするものの、なかなか現れず、やきもきしましたが、枝に止まる2羽を見ることができました。頸の緑色の金属光沢、濃いピンク色の足が印象的です。場所を移動して、またカラスバト狙いです。運よく飛んできて止まり、じっくりと見ることができました。
朝食後は南側から回りました。昨秋、「ブラタモリ」でも紹介された岩に行き、タモリさんになった気分で同じ場所に立ちました。上空では多くのアマツバメが飛び交い、崖ではハヤブサが翼を広げて日光浴をしている場面も見ることができました。珍鳥コホオアカもいまいた。
畑の方は案の定、鳥影はなく、どうしたものかと思いました。ようやく珍鳥キマユホオジロの♂と♀が畑で採餌しているのを確認。しかし、それくらいでめぼしい鳥はいませんでした。
今度は昼食を兼ねて荒崎へ降りました。御積島と烏帽子群島がきれいに見えます。べた凪の海にはウトウが3羽。そして、カンムリウミスズメが2羽、浮いていました。べた凪だったおかげで見ることができました。ラッキーです。
四谷ダムでは、木々の間を飛び交うセンダイムシクイやコサメビタキ、キビタキなどを見て、法木の畑では地面を歩くコルリ♂、低い梢ではサンショウクイの群れなどまずまずの成果でした。
最後は鼻戸崎です。キビタキやオオルリ、コサメビタキが旅立ちの準備でしょうか、せわしなくフライング・キャッチをしていました。また、珍鳥カラフトムジセッカが至近距離で楽しませてくれました。最後はカラスバトが2羽飛んできて、朝のように止まった姿を見ることができました。
春の飛島バードウォッチング 3日目
朝食後の校庭からスタートです。学校前でムシクイ類の群れに出会いました。昨晩、入ってきたのでしょう。センダイムシクイがたくさん。エゾムシクイも混じっています。どれもしきりに動いて採餌に余念がありません。
青い鳥・オオルリの♂も2羽。校庭ではミヤマホオジロやコホオアカを見ることができました。
鼻戸崎へ向かいます。ツツドリ、そしてジュウイチのさえずりが響き渡ります。休憩を兼ねて展望台で鳥待ちしたところ、ムギマキが目の前に現れました。まだ若い個体のようでしたが、さえずったり採餌したりと3羽のムギマキで楽しむことができました。
最後は昼食をとりながら、ヘリポートです。サンショウクイが頭上を鳴きながら通過していきました。昨日見たマミチャジナイ♂もまだいました。長旅でお疲れのようで、翼を下げています。近距離で観察できました。
晴天が続いたので種類数、個体数ともに少ない中ではありましたが、ド珍鳥のノドグロツグミやムシクイ類の群れなど、飛島らしさを少し実感できた3日間でした。
【今回確認できた鳥達】
カルガモ、ウミアイサ、カラスバト、キジバト、ヒメウ、ウミウ、ダイサギ、ジュウイチ、ツツドリ、アマツバメ、イソシギ、ウミネコ、オオセグロカモメ、カンムリウミスズメ、ウトウ、トビ、アオバズク、ハヤブサ、サンショウクイ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、カラフトムジセッカ、キマユムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、メジロ、コムクドリ、クロツグミ、マミチャジナイ、アカハラ、ノドグロツグミ、ツグミ、ノゴマ、コルリ、シマゴマ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、コサメビタキ、キビタキ、ムギマキ、オオルリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、シメ、イカル、ホオジロ、ホオアカ、コホオアカ、キマユホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、ノジコ、アオジ、クロジ、アムールムシクイ?