ツアー名:ブッポウソウに会いに行く 長野・天龍村2日間 [宿泊してゆっくり撮影]
2019年7月6日(土)~7月7日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太 (みねお・ゆうた)
ブッポウソウは日本の初夏の頃に繁殖のためにやってくる夏鳥。赤い大きなくちばしに緑や紫の光沢ある羽を持ち、翼に青白い斑の出る派手な鳥です。深山の緑に映える見事な美しさ、「ゲゲッ」と変わった声で鳴いたり、フライングキャッチや煙浴などの習性も魅力的です。
今年も観察シーズン終盤の7月上旬、ブッポウソウの保護に力をいれている天龍村へ向かいます。昨年は災害級の雨で道が通行止めになり、残念ながらツアーが中止になりました。ご参加の方の約半数はリベンジ組で、ブッポウソウには2年越しに会いに行きます。
天龍村 バードウォッチング 1日目
しとしと降る雨もブッポウソウには似合いますが、やっぱり青空の下で会いたいものです。
集合場所の八王子駅からバスで約4時間半(やはり遠い!)。ブッポウソウのミニ話などしながらもお尻が痛くなってきた頃に天龍村に到着です。悪い予報を見事にはね飛ばし、ブッポウソウ観察日和!
早速ブッポウソウの姿を確認します。次々と親♂♀が巣で待つ子へと運んでくる餌はタマムシがいちばん多く、他にはハチやカミキリムシ、オニヤンマ、アブラゼミ、コガネムシ等。虫の数が多い今の時期ならではですが、実に見事なハントテクニックです。
カタツムリの殻や貝殻?なども運んでいました、消化を助けるため雛に飲み込ませるのでしょうね。
侵入個体と3羽でのバトル、目の前でのフライキャッチング、ペリット(不消化物)を吐く等、目の前での空中ショーは見ごたえあります。
天龍村では巣箱にカメラが設置されていて、有線テレビで観察することが出来ます。観察場所の自慶院でもモニターがあり、確認できた雛は全部で4羽。遅れて生まれた1羽は小さめですが4羽とも元気です。
観察場所を提供していただいているお寺のご住職は、野鳥愛好家で天龍村のブッポウソウに愛を注いでいる方で、我々バードウォッチャーへも快く境内への立ち入りを許可してくださっています、ありがとうございます。
この日はバスで移動しながら3つがいを観察することができました。盛んに餌運びするところを見ると、各つがい順調のようです。雨予報だったので、出発時には鳥も虫も飛ばず何も観察できないかもと心配していた私も一安心です。
今回は初めての宿泊プランも同時進行。日帰り組を見送った後に別のつがいを観察し、その後、飯田線で宿泊先の平岡駅まで一区間乗車。駅舎にある宿・龍泉閣で荷物を身軽にし、暗くなる寸前まで給餌するブッポウソウ巣箱の様子を見て過ごしました。
天龍村 バードウォッチング 2日目
前日同様、朝からお寺さんにおじゃまして、ブッポウソウを観察&撮影開始です。
早朝、宿泊地の周辺でアカショウビンが鳴いたり、ブッポウソウを見ている昼間もクマタカが飛んだり、イカルチドリの親子がいたりと、宿泊ツアーならではの楽しみがあります。
順光の山バックで色が綺麗に見られるポイントや、餌運びの頻度など、工夫すれば多彩な観察が楽しめます。特に自然木に止まって餌探しする姿が美しく印象的でした。
6時~16時まで食事以外はひたすらブッポウソウを観察し、残念ながらその後にいなくなってしまったものを含めて5つがいほどを確認した後、ローカル線の飯田線と新幹線を乗り継いで帰路につきました。
天龍村でブッポウソウのツアーを企画したポイントは、
- 人数が多くても敷地が広く観察しやすい。
- 村の方はバードウォッチャーに寛容で村役場も協力的。
- 近寄り過ぎないような場所に巣箱がかかっていて、マナーが守られやすい。(人の目も多いのでマナー違反はなかなかできないはず)
- ブッポウソウ保護に協力できるよう、参加者にグッズ購入や寄付も(強制ではなく)お願いできる。
という点です。個人で訪れる際もルールを守って、今後もブッポウソウを温かく見守りましょう。
【今回確認できた鳥達】
カワウ、アオサギ、カルガモ、トビ、イワツバメ、ツバメ、コジュケイ、キジバト、ホトトギス、ブッポウソウ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ホオジロ、クマタカ、イカルチドリ、カワセミ、セグロセキレイ、モズ、キビタキ、オオルリ
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