ツアー名:冬の渡良瀬遊水地 タカ類に期待
2020年1月18日(土)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太 (みねお・ゆうた)
もうすぐ大寒なのにも関わらず記録的暖冬の1月、鳥に負担が少ない人数で渡良瀬遊水地を訪れました。毎回外れのない渡良瀬。機動力抜群のジャンボタクシーを利用するツアーも今年度2回目です。
この日は東京でも雪が降る寒風が冷たい1日でしたが、渡良瀬は時々パラパラっと小雨がジャケットを濡らす程度で天気の神様に助けられました。
若干の風に耐えつつ観察を開始すると、眠っているフクロウとのラッキーな出会いからスタートしました。ぼちぼち繁殖期ですね、いじめられたりせず彼らには頑張ってほしいものです。
広葉樹エリアではアカゲラの採餌風景を観察、アオジも地上採餌していて、アカハラ、シロハラ両方確認、カオジロガビチョウの声も聞こえてきます。
谷中湖をのぞいてみると、ハヤブサがいつもの塔で休息中、成鳥♂かな。
上空ではチュウヒとハイイロチュウヒ♀タイプが飛翔しミサゴがでかいコイ?を持って飛んで行きました。
水質改善や臭いへの対策なのか、谷中湖は今年も水量を減らしています。また、この日は調査の船が入るタイミングでしたので、前回(12/22)のようなカモの多さは感じられませんでした。
それでも対岸には多少カモ類がいるようなので、後ほど行ってみることにします。隣のブロックをのぞくと、ツルシギ6羽の群れとダイサギの大群がそれぞれ採餌や休息をしていました。
次にいつもヨシガモがいるヨシガモ池へ。この日も54羽と多くて寝たり泳いだり、この時期ならではのコートディスプレイを行う姿を観察できました。
するとここで参加者のスコープが倒れるトラブルが発生。スコープの泥を洗い流す必要がありますが、台風以降渡良瀬のトイレは使えないので近くの道の駅へ向かいます。道の駅に来たついでに昼食休憩。
昼食が終わって午後の部再開です。裏側の谷中湖にまわるとミコアイサやトモエガモ(前回50羽超えでしたがこの日は4羽)、カンムリカイツブリ、他のカモたちがいます。
その後、遠くにチュウヒやジョウビタキを観察するくらいで、コクマルガラスに期待していたカラスの群れにも会わずしばらく停滞時間が続きます。コミミズクが来ていないか1ポイント目で待ってみましたがスカ。代わりにハイイロチュウヒ♂が綺麗な姿を見せてくれました。
最後はチュウヒ塒(ねぐら)入りへ、とその前にダメ元でもう1つのコミミズクポイントへ向かうとこれが大当たり。
コミミズク3羽が同時に出現し、探餌したり休息したりと長時間楽しませてくれました。
その後ようやくチュウヒポイントへ。しかしコミミズクが楽しすぎて時間が押したのか、夕方急に風が止んだのもあって思ったほど乱舞することなく終了。それでもハイイロチュウヒ♂が少なくとも2羽いて♀タイプも塒入りし、楽しめました。また、コチョウゲンボウが針葉樹にとまっている姿も確認できました。
今回はフクロウ類に助けられ、「福」のついた幸先の良い2020年のツアースタートとなりました。
【今回確認できた鳥達】
ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ミコアイサ、トモエガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、オオバン、ツルシギ、セグロカモメ、ミサゴ、トビ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ノスリ、コミミズク、フクロウ、カワセミ、コゲラ、アカゲラ、コチョウゲンボウ、ハヤブサ、モズ、カケス、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、セッカ、ムクドリ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ、ベニマシコ、シメ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン、ドバト、カオジロガビチョウ