「突端」が好きです。
車や自転車などで、さぁ、どこを目指そうか? という自由な旅が許される時、きまって、地形的特徴を持つ場所に惹きつけられます。
とくに、岬が好きです。
岬に立つ灯台には、ロマンを感じます…。
昨秋のことですが、鹿児島県・大隅半島を訪れる機会がありました。
そのときに最南端の「佐多岬」に目が止まったのは当然のこと。
この佐多岬を南端に有する大隅半島ですが、半島南側は高速道路や電車が敷かれていません。地図を眺めれば、隣の薩摩半島に比べて明らかに、著名な観光地やレジャー施設などのマッピング要素が疎らです。…が、そんな土地こそ「たしかめにいってみよう」という気持ちにさせられるもの。
実際、くねくね道を走りながら佐多岬を目指す道すがら、ひと気なく神聖な気配に充ちた吾平山上陵に寄り道したり、錦江湾や開聞岳を眺めながら走る快適ドライブルートがあったりと、行かねば分からない旅のポイントにいくつも出会うことができました。やっぱりサツマイモ畑が多いんだなぁ〜というのも、確認してきました。
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佐多岬に到着すると、駐車場から先っぽの展望台まで、亜熱帯かつ半島ならではの植生の散策路を10分ほど歩きます。
そして、展望台から望めるのが、冒頭の灯台です。
そこで解説をしてくださった地元案内人の方によると、一般観光客は、あの灯台に入ることはもちろん、灯台の建つ小島には、渡ることすらできないのだとか。ただし年に二度、灯台守だけが、島につけられた階段を登ることができるのだと…。その話を伺うと、九州の最南端、太平洋に突き出して白く孤高に佇む灯台に、感慨深いものを感じてしまうのでした。
今後、小島へ橋を架ける工事予定もあるそうで、それはそれで楽しそうですが ‘孤高感’ はなくなっちゃうなぁ、と勝手なことを思いました。
*佐多岬灯台について(南大隅町ウェブサイトより転載)
九州本島最南端北緯31度線上に位置し、南端の断崖から50メートル沖の大輪島に日本最古の一つである佐多岬灯台があります。この灯台は、イギリス人の設計で明治4年に完成。昭和20年の空襲で焼失、現在の灯台は昭和25年復旧したものです。太平洋、東シナ海、錦江湾に面し、晴れた日には種子島、屋久島を見ることが出来ます。眼下にはエメラルドブルーの大海原が広がります。
大隅半島で発見した魅力はまだいくつもあるのですが、長くなるのでまたの機会にしたいと思います。