前回のブログに続けて、また愛知県は常滑のお話です。
本題前にまず「常滑の魅力」を語らせてください。常滑が他所の名の知られた焼き物の街と異なるのは、茶碗や置物など美に重点を置いた作品だけではなく、土管や焼酎瓶など窯業(工業)として発展した側面が強いことだと思います。そのため、街を歩けば古びた窯や、打ち棄てられたままの焼き物の破片があちらこちらで見られます。くねくね入り組んだ細い路地や階段のいたるところに、焼酎瓶が埋め込まれていたりもする。窯業ならではの造りを備えた古い家屋兼工場を観察するのも楽しい。常滑に多く残る古民家を拠点として活動するアーティストは多く、常滑焼の伝統を踏襲するものもあれば新しいものも混在し自由な雰囲気がある。それらのギャラリーを訪ね歩くのもまた楽しい。
とにかく、まだ観光地化され尽くされていない、いい感じの雑多さのある風情が気に入って、続けざまに2度訪問してしまったほどなのです。
…さて、前置きが長くなりましたが本題です。2度目の訪問で訪れたのは「苗族刺繍博物館」。苗(ミャオ)族は、その多くが中国貴州省に暮らす山岳少数民族。アジアの民族衣装がお好きな方は、きっとご存知かと思います。
詳しくは… 貴州に暮らす少数民族 / 貴州・凱里周辺のミャオ族の村々
この博物館では、個人により蒐集された苗刺繍、民族衣装を(たったの)500円で鑑賞させてもらうことができます。個人のお宅(これまた立派な古民家でした)の一室を開放して博物館としているためスペースは狭いながらも、そこに展示される苗刺繍の点数に驚かされます。しかも、実際に触らせてもらえ、ルーペを借りてじっくり観察もできてしまう。夢中になって、かな〜り長居してしまいました。博物館のオーナーも素敵な方でした。一緒になって苗族の女性たちの家族への愛情・誇りに想いを馳せたり、圧倒されるほどの精緻な手業に感嘆したりと、至福のひとときを過ごさせていただきました。(本当にありがとうございました!)
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ふだんの業務ではパンフレットやWEB制作でもっぱら写真を見るだけの私ですが、インドシナ企画担当のスタッフから、貴州や雲南の少数民族の話を聞いたり、写真を眺めたりするだけで、心踊るものがあります。この気持ちを共有できる方は、風の旅行社の周りには大勢いるはず! ピピっときた方には、是非訪れていただきたい場所です♪
※ご注意:苗族刺繍博物館の見学は事前予約制です。その他ご注意事項、詳細につきましては、苗族刺繍博物館ウェブサイトをご参照ください。