*つむじかぜ159号より
もうひとつの印象的な言葉は、「JTBらしさを否定しなければいけない。みんなが同じ方向に向いていてはもうだめだ。」という、到底、業界NO1の会社の社長が、おっしゃるとは思えない内容でした。
JTBと言えば、組織がしっかりしていて、瞬時に、本社の意向が日本全国隅々まで通る。と言われたくらい、同じ方向を向くのが得意な会社で、JTBらしさを兼ね備えた人材の豊富さで有名でした。まさに、効率化を追求し、少品種大量生産の時代に合致した組織形態を保持していました。
普通は、大きな会社は、大企業病に掛かってもう二進も三進も行かなくなって初めてメスが入るのが普通です。自己否定なんてなかなかできるものではありません。ところが、JTBは、業界で最も早く時代の変化に気づき、分社化という方法で短期間に大胆な改革を敢行したのです。そして、今では、4つの「S」さえ守れば、何をやってもいい。4つの「S」とは、スピード、専門性、誠実、信頼。そんな会社にJTBは変貌してきています。
4つの「S」の中に専門性があるのは、弊社にとってはちょっとドキっとすることです。果たして、どこまでやる気なんだろうか。気になるところですが風は、我が道を信じて進むしかありません。分社化が正しい方向か否かは、JTB固有の問題であって、会社が進む道は、その会社の状況に応じて独自に選択していくしかありません。
風は、今後も、分社化とは全く逆の方向に当面は進むでしょう。もっと、海外の支店も含めて、意識を集中させ、ひとつの価値を共有することに今後も務めていく必要があります。それが、きちんとしたブランドを築く道だと思います。
★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。