先日、旅行産業経営塾OB会の会合で、最近の出来事で怒り心頭に達することは何か。という話題になった時、燃油付加運賃の問題が即座にメンバーから上がりました。2008年4月からの日本航空の燃油付加運賃は以下の様になります。
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日本-韓国 片道 2,500円(往復 5,000円)
日本-中国 片道 6,500円(往復13,000円)
日本-北米・欧州・中東・オセアニア 片道 20,000円(往復40,000円)
日本-シンガポール・タイ・ハワイなど 片道14,000円(往復28,000円)
いくらなんでも、高すぎませんか。これに成田空港使用料2,040円、その他各国の空港税や出国税、9.11以降掛かるようになった、航空保険料などを加えると、欧州、北米などでは、更に1万円くらい掛かります。ハワイに59,000円の格安パッケージツアーに申し込むと、燃油付加運賃等々で、更に4万円くらいは掛かるということです。これでは、海外へ行く人はどんどん減ってしまいます。
燃油付加運賃は1バレル50ドルを超えた急激な原油高に対応し、2005年の1月に始まりました。当初は往復でも2,000円くらいでしたから、一時的な処置として仕方ないと私たちも思いました。
現在は、原油は1バレル100ドルを突破しています。航空会社の収益に与える影響は、確かに大きなものでしょう。しかし、始まってからもう、3年も経っています。一時的な処置とは言いがたく、本来は、値上げ分も見込んで運賃本体を考え直すべきです。ところが本体の運賃は、4月から一部で値下げになっています。これでは、到底消費者の理解を得られるはずがありません。
この3年間で、航空会社はどんな努力をしてきたのでしょうか。全日空は、前回の値上げでは、これ以上は、需要の低迷を招くといって値上げを見送ったのに、4月からは、日本航空と同じ料金になります。
実際に、お客様から付加運賃を徴収するのは旅行会社です。航空券を発券する際に、一緒に計算されますので、お客様からもらえなければ旅行会社は赤字になります。しかも、何の手数料ももらわず、ただ働きをさせられています。その上、最近はシンガポールのケロシン市場に連動して値上げされるので、ひどいときは半年で3回も値上げされたりして、すでに徴収したお客様から、追加料金をもらわなくてはならないという現象が起きています。
「航空会社は、自分でお客様から徴収してくれ」と、この会合に参加した旅行会社の面々は異口同音に言っていました。私も、そう思います。こんなことで手数料をもらいたくもありません。航空会社は、お客様の怒りを正面から真摯に受け止めて欲しいものです。