*つむじかぜ184号より
果たして、本当に、ネパールの王制は廃止されるのだろうか。あの強権政治を行なってきたギャネンドラ国王が、おとなしく王宮を明け渡すのだろうか。誰しもが、疑問視するなか、2008/4/10に制憲議会選挙が行なわれ、5/28に開かれたその制憲議会で、賛成560、反対4の圧倒的多数で王制廃止と連邦共和制の導入が宣言され、ネパールは、生まれ変わりました。
しかし、新たに国家元首となる大統領の権限については政党間の交渉が難航、5/28には決着がつかず翌29日にずれ込み心配されました。しかし、同日、新憲法で限定される権限を有することで合意を得たと報じられました。
目の前で起きていることには、かえって実感が伴わないのかもしれませんが、これは、まさに、歴史的な転換点です。明治維新に比べると日本人には分かりやすいかもしれません。最終的には、民主主義的な形を取りましたが、マオイストと政府の間で過去、多くの血が流されたことも事実です。
ネパール人曰く「ちょっと、王様も、やりすぎちゃったからね」なるほど!民衆の心は、王様から、すっかり離れ、普通の人々は、冷静に、厳しい目で見ていたんだなと思います。
かつて、選挙で共産党が勝利しても変わらなかった政治の腐敗に嫌気がさし、民衆は王様に救いを求めたときもありました。しかし、それも、裏切られ、今日に至った訳です。
どうか、やっと点った希望が、混乱で失われることのないよう強く強く願うばかりです。
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