もはや、理念で政治は出来ないのか

つむじかぜ201号より


国土交通大臣は、私たち、旅行業界を管轄する省の大臣だ。この10月1日に観光庁が発足したが、中山成彬元国土交通相は、そんなことは、ほったらかしで、自分の言いたいことだけ言って、大臣をたった5日間で辞任した。

内容云々の問題以前に、国務大臣の職を、こんな自分勝手な政治的パフォーマンスに利用されたことが腹立たしい。付き合わされるこちらは、たまったものではない。観光庁は、小泉首相の時代に位置づけられた「観光立国」の理念の具体化が、行政の段階で漸く始まったことを意味する。その観光のことなど、もしかしたら、知らなかったのかもしれないと疑いたくなる。

もはや、理念で政治は出来ないのかもしれない。そう思っていたら、9/29、米国の下院が、金融安定化法案を否決したというニュースが流れてきた。これには仰天した。自由競争の国、アメリカは、流石に、市場への社会主義的な国家の出動を理念的に拒否したのか。と思ったら、どうも、賛成したら11月の選挙に勝てないという一点で共和党に造反組みが出たという。これまた、理念とは程遠い。

そもそも、サブプライムもこの金融危機も、一体誰に責任があるのか。WALL街は、みんなで博打をして巨額の富を貪っていたくせに、困ったら国に金を出せ。この論理には、心底腹が立つ。何故、銀行や証券保険会社ばかりが救われるのか。私たち、中小企業は、決して救われない。そんな、思いは、日本の不良債権処理の際にも、私は、感じた。

しかし、これじゃ、世界中で、連鎖倒産する金融機関が出て、またまた私たちは、そのとばっちりを食うことになる。責任追及は後できっちりやることにして、今は、何とかしてもらわなくては困る。

私も、遠くから物事を論じているに過ぎないのだから大きなことは言えないが、テレビを見ては、腹立たしく思い、またまた、寝酒が過ぎてしまうこの頃です。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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