「日本人の観光客が、まだ60人以上残っている。JTB、クラブツーリズム、、、他は、日本の旅行会社名は分からないけど、フリーの旅行者もいるらしい。クスコの旅行会社は、もう、大変!」風のペルー支店の直さんは、興奮気味に私に語りかけてきた。
25日の午後、前日から降り続いた大雨で、マチュピチュ麓の村、アグアスカリエンテスが洪水にやられ、クスコとつなぐ唯一の交通機関ペルーレイルも寸断され、日本人を含む観光客、およそ2,000人と村人が孤立したのだ。マチュピチュへは、午前中にクスコを出発する観光客が多い。この日も大勢の観光客が朝からマチュピチュに向かったそうだ。
25日からヘリでの救出が始まったが、人数が多すぎて容易ではないらしい。翌日26日は、ひっきりなしにヘリコプターがクスコの上空を飛んでいる。
私が、クスコに到着したのは、その25日である。「マチュピチュにいけないのか」私の残念無念はどうでもいいが、被災地は、水も、食料も不足しているだろうし、夏とはいえ、かなり気温が低く大変心配である。このまま、何日か救出に時間がかかれば、二次災害だって心配になってくる。もちろん、被害は、アグアスカリエンテスだけではない。ペルーの広範囲に広がっている。
幸いにも、弊社のお客様は、丁度、お帰りになったばかりの方と、27日到着の方がいらしたが、空港へ向う途中で連絡がつき、マチュピチュへも行けないし、インカ道ハイクもできない旨お伝えすることができた。こちらに着いてからお伝えしたのでは、お客様の解除権行使の機会を奪うことになる。兎に角、分かった時点で直ぐ伝える、これが、原則である。
結局、コースを変更して来ていただけることになった。なんでも、新婚旅行だそうだ。こちらのスタッフも最善を尽くすだろう。是非、いい旅にして欲しい。
現地に居合わせても、私には何もできない。もどかしい。頭の中は、次なる心配事も浮かんでくる。しばらくマチュピチュの観光は中断するしかなさそうだ。直さんは、「いい時もあれば、こういう時もある。過去にも色々あったから」とラテン系らしく明るい。弊社も、毎年、こんなことが続くが、こればかりはどうしようもない。元気出して頑張るしかないということだ。