ワールドカップ

つむじかぜ286号より


ワールドカップが開幕する。日本代表の旗色は悪く、今ひとつ盛り上がりに欠けるという。そんな中、昨日、深夜にたまたま、「証言ドキュメントサッカー日本代表50年」という番組をみた。私が見たのは、その第3夜「新世代の台頭」だった。

ドーハの悲劇でワールドカップ出場を逃した三浦、中山などのベテラン世代と、名波などの中堅、そこにアトランタオリンピックでブラジルに勝った中田、川口、城などのニュー世代が加わってきた。その変遷を、加茂監督から岡田監督への電撃交代をドキュメント風に追いながら描いていた。

中山、中田、川口、そして岡田監督などの証言を交えながら進行していく。もちろん編集が、かかっているのだろうが、そのリアリティーに、つい引き込まれてしまった。

ニュー世代は、先輩であろうが、遠慮なくものを言い、自信に溢れていたそうだ。中山いわく「むしろ、若い連中から何かを吸収したい。そう感じましたよ」。日本のサッカーは、世界でコテンパンにやっつけられてきたのに、「世界と対等に闘う」という夢のような経験を、ニュー世代が難なくやってのけた。嫉妬や悔しさがベテランにはあったに違いない。

しかし、サッカーが世界と闘うことを宿命づけられていたがゆえに、年齢や経験を超えて、みんながサッカーに貪欲になれた。ベテラン世代にとってワールドカップ出場は夢であったが、ニュー世代にとっては、もうこのとき、目標になっていたそうだ。

どんな歴史も、右肩上がりで発展することはない。時には後退もする。果たして今回のワールドカップで後退してしまうのか。私の興味は、一点。岡田監督が、土壇場でどんな力を出すかだ。歴史とは、時に、一個人の一瞬の決断で大きく変わる。

この番組のお陰で、なんだか、今までとは全く違う興味でワールドカップが楽しめそうだ「証言ドキュメント サッカー日本代表50年」は、6/12から再放送されるそうだ。録画してじっくり見ようと思う。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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