バーチャルな時代にリアルで行く

つむじかぜ293号より


「東京ガールズコレクション(TGC)」が注目を集めている。とは言っても、私は全く知らなかったが、なんでも、話題のブランドと人気モデルが集結して最新フッションショーを披露し、観客は、その場で、モデルが着ている服などを携帯電話で購入するのだそうだ。なんと、観客は、F1層(20〜34歳の女性)に限定されていて、それ以外の人は入場すらできない。もちろん私なんぞは、近づくこともできない。

先日、そのTGCの仕掛け人の一人、(株)F1メディア代表取締役の永谷亜矢子氏の講演を聴く機会を得た。「私たちは、イベントとは考えていません。TGCをメディアと考えています。」という永谷氏の言葉は、自信に溢れ、TGCは大きな可能性を持っているんです。と叫んでいるかのようであった。

また、「どんなショップやメーカーとコラボしても、必ず、TGCのプロダクトでお願いしています。」即ち、TGCに協賛しても、その企業が勝手に広告したり物を売ったりはできない。必ず、TGCのスタッフが関与し、新たに商品やサービスを作ってもらう。そうしないと、企業広告の時間は、フッションショーの中で“つまらない時間”になってしまうからだそうだ。

WEBに全てが呑み込まれてしまいそうな今の世の中で、TGCはなんとも超リアルである。その手に届くような距離感とリアルさが、F1層の圧倒的な支持を受けているのかもしれない。

講演を聴いていて、「あれ、この人どこかで見たような、声も聞き覚えがあるなあ?」と思っていたら、なんと、以前、弊社に来ていたリクルートの旅行雑誌ABロードの営業の“ナガヤ”だと気がついた。弊社で、ネパールにABロードの取材にも行っている。いやはや驚いた。ビックになったものだ。

リクルートという会社は、多くの社員が30代で退職し、フリーで仕事をしたり起業したりしていくと聞く。それが、リクルートの社風だという。だから、リクルート出身で活躍している人に色々な場で私も会う。

何かを目指して歩み、何時かきっとそうなると信じて、大きな目標を持って進む人間が、何かを掴んで更に大きくなっていくんだなあと今更ながらに感じた。

私だって、TGCは知らずとも負けてはいられない。と妙な興奮を覚えた。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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