大阪出張 雑感

つむじかぜ402号より

一昨日は、大阪支店へ一泊で行ってきた。大阪駅はホームの天井が透明の屋根になり、その上方を、まるで関西空港のように鉄骨が露出した、かなり高くて大きな屋根が覆いかぶさっている。その屋根は、伊勢丹のビルの屋上まで斜めに延びている。まるで、4つ切りにしたケーキを倒したようなこの形の大空間である。そこに光が差し込み明るい。あの、どんよりした大阪駅は、どこへやら。お陰で、「桜橋口は、どっちだ?」と一瞬方向が分からなくなったほどだ。

支店に行くには、必ず東京で、スイーツのお土産を買っていく。大阪支店は、現在、女性4人に男性1人、今回は、その黒一点が、添乗中なので女性4人である。「ヘタなものは買えない」というプレッシャーが強烈に襲ってきて、東京駅で、あれこれ探していたら、たかがお土産を買うのに40分もかかってしまった。

東京駅のホームの地下を横切るコンコースには、相変わらず東京銘菓という看板が出ているが、昔に比べると、それ以外にも、まるでデパ地下のように沢山の菓子屋さんが並ぶ。だから、余計に迷ってしまった。結局、ロールケーキと籠もりチーズケーキを買った。それほど珍しくはないが、これでバッチリのはずだ!大阪は、やはり「つかみが」が大事だ!

大阪のスタッフは、以前、別の旅行会社で働いていた者が3人いる。あるスタッフ曰く、「前は、国内旅行を扱っていたので、一枚チケットを売って何百円の利益だったんです。だから、風にきてびっくりしちゃいますよ」。確かにそうだろうが、数が全く違う。

商売は、薄利多売の掛け算で利益を出すか、価値訴求の足し算で利益を出すかに分かれる。しかし、どうしても数を追う仕事は、気持ちが消耗していく。仕事は、数を追わず丁寧に、納得がいくようにできれば一番いいと私は思う。ただ、効率は上げないといけない。ダラダラした仕事をしていたら逆にいいものはできない。

別のスタッフ曰く「阪神巨人戦のチケット取りもやらされました。ずいぶん怖い目に遭いました」。「そんなの儲からないだろう」。「儲けなんか関係ないんです。取れなかったら怒られるんですよ~!必死ですよ!」なるほど色々な仕事があるものだ。みんな苦労している。弊社なんて、随分恵まれているのかもしれない。

大阪で、一人ひとりのスタッフと面接し、夜はちゃんこ鍋屋さんに行った。翌日の朝、9時ごろホテルを出て、うどんを食べて帰りの新幹線に乗った。関西では、やっぱりうどんだ。蕎麦じゃない。いつもは、新幹線も飛行機同様、通路側に座るが、少し眠りたいと思い窓側をとった。しかし、眠ったのは、最初の15分くらいで、あとは、窓の外を眺めていた。ふと、殆ど建物が途切れることがないことに気づいた。「あの建物には、みんな別の生活があり、それぞれ仕事があるのか。私が一生かかっても逢えない人が沢山暮らしている。日本は、やっぱり人が多い。自分の存在なんかちっぽけなものだ」。そう感じたら、す~っと楽になった。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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