古事記を読む

つむじかぜ413号より


“ねむれないほど面白い『古事記』”(三笠書房 由良弥生著)という本を書店で見つけた。お恥ずかしい話だが、古事記には、過去何度か挑戦したが、挫折してきた。手にとってぱらぱらめくってみると、「え~?こんな軽い感じでいいのか?」と思うくらい簡単な文体で書かれていた。これなら読めそうだと買ってみた。

考えたら、古事記という書物は、日本史の中の暗記事項ではあっても、内容を学校で教わったことはない。稗田阿礼という名も一緒に覚えた。天皇制の議論との兼ね合いで、学校教育の中で教えることは避けられてきたのだろうが、日本最古の歴史書を読んだことがないというのもおかしな話だと思う。

スサノオのヤマタノオロチ退治の話や、因幡のしろうさぎの話は、誰しもが知っているが、それと古事記が結びつく人は、今では少ないかもしれない。山幸彦、海幸彦の話もそうだろう。

読んでみると、こんなにも男女の神々の交わる話が、堂々と書かれていることにやはり驚いてしまう。また、嫉妬で争ったり、意地悪したり、まさに現在の人間模様がそのまま出てくる。到底、小学生にそのまま読み聞かせるには、かなりの抵抗がある。

それでも、この本のあまりにも軽い表現に、なんとなく不安になって原本も見てみようと思い、前から持っている岩波文庫の方も読んでみた。確かに表現は違うが、内容は合致している。

最近は、こういう簡易な文体で誰でも読める古典が出版されている。日本書紀、源氏物語、などなど考えたらこれまた、ちゃんと読んだことがない。先日、現代語訳の源氏物語を読んでいる知人がいたが、原文など
読む力は、到底、私にはないので、現代語訳でもいいから読んでみたいと思う。

経済論や政治情勢の話、マーケティングに経営論。こういう本はかなり読んだ。今年は、少々趣向を変えてみようと思う。週に一冊、年間50冊は本を読みたい。大したことない、と言われそうだが、まずは、それくらいを目標に本屋に通おうと思う。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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