新年明けましておめでとうございます。
年末年始のツアーも、何とか無事に終了しほっとしております。何件かは海外旅行保険を使うケースも発生し、保険の重要性を改めて強く感じました。ご参加いただいた皆様には、紙面上で恐縮ですが厚く御礼申し上げます。
私は、可能な限り年末には信州の生家に帰省することにしています。すっかり年老いてしまった父のこともあって、かなり重要な年中行事になっています。
父は、大正14年生まれで今年89歳。脚は大分弱ってきましたが何とか自力でトイレも行けるし耳も遠くはありません。少々話が混乱することはありますが、ボケることもなく元気に暮らしています。殆どベットで寝ていますから、ジャージのような服装の方が楽だと思うのですが、襟付きのシャツとベルトをする折り目のついたズボンが好きだと言って“堅い”格好をしています。
19歳のとき召集されましたが、戦地には赴くことなく内地で訓練を受けている間に終戦を迎えていました。「どうせ死ぬんだと思って煙草も軍隊で覚えた。何を言っても殴られた。軍隊は、そりゃあ酷いとこな。戦争はやっちゃあいかんなあ」そんな話を繰り返し聴かされます。もはや日本で戦地に赴いた体験を持っている人は90歳以上の方ということになります。
「国民を戦争に駆り立てるのは簡単だ。敵が攻めてくればいい。それでも戦わない人には、愛国心が足りないと迫ればいい」と言われます。果たして、これに抗える日本人が何人いるでしょうか。私たちの心情は、終戦から70年近くたってもあまり変わっていないばかりか、逆戻りしているようにすら感じます。
「戦争を起こすのは老人で、死んでいくのは若者だ」ともいいます。子や孫の世代に、私たちはどんな未来を引き継ぐのか、大変難しい時代になったと思います。
年始から少々深刻な話になりましたが、心新たに過ごそうと思います。度々申し上げますが、私たちが携わる観光産業は平和あってのことです。また、観光業は人々相互理解を促進し、平和の礎を築くことができる。そう信じたいと思います。
本年も宜しくお願い致します。
風の旅行社 代表取締役 原 優二