『前回の消費税値上げでは据え置きましたが、今回は値上げさせていただきます。ご了承ください』真新しい貼り紙が目に留まった。どことなく店主の怒りを感じてしまうのは、うがちすぎだろうか。「俺のせいじゃあないぜ。文句があるならお上に言ってくんな」そう言っているように感じてしまう。
確かに、3%から5%に消費税が上ったときは、「うちは今までどおり頑張ります」という店が多かったように思う。今回は、どこもかしこも値上げに踏み切ったように思う。
5%なら、小額だからいいが、8%、更には10%になったらもうだめだ。今後は、更に上っていくかもしれない。ここで値上げしておかなきゃ次回も上げられない。そんな心理が働いたに違いない。
実は、弊社も値上げをさせていただいた口だ。風カルチャークラブの4,000円の国内講座も4,320円にさせていただいた。
ただ、社内でも色々な議論があった。「5%は内税でやってきたのだから、4,000円なら3%だけ上乗せし4,120円とすべきだ」という意見もあったが、今まで据え置いてきたのだから、今回は8%を乗せて、はっきりと税金が幾らかかっているか判るようにすべきだという結論に達した。
したがって、できれば4,320円(内消費税320円)と表示したかったが、web上の技術的な問題があり、4,320円という表示になった。4,320円なら8%の消費税が含まれていることは想像がつくが、7,020円という表示になると、もう判らなくなってしまう。それは、何とか避けたいと思う。
ところで、海外旅行には、消費税がかからないということをご存知だろうか。そもそも消費税は、日本の国内において事業者が事業として対価を得て行う取引等に対して課税されるので、国外取引については課税されない。サービス提供に関しては、提供される場所をもって国内取引か国外取引が判定されるので、海外旅行には消費税はかからないというわけだ。
貼り紙の横の料金表では、600円のつけそばが650円になっていた。8%ではないが、一円単位のお釣りが出るの避けたい。ならば640円じゃないか。などという客はいないだろう。店主の怒りを理解してしかるべきだ。
私たちは、消費税という制度に慣れるしかないのかもしれない。しかし、ICカードなら216円、現金なら220円というバス料金には、やはり釈然としない。「何でだ!」と思ってしまう。到底、慣れそうにない。