日本政府観光局(JNTO)のまとめによると、今年上半期の日本人出国者数は前年同月比2.9%減の801万6200人だそうだ。しかも、対前年比が6ヶ月もの間マイナスを続けた。2013年だって海外渡航者数はそんなに多くはなかったのに、この減り方は尋常ではない。
理由は、円安や、消費税増税による3月までの消費財への駆け込み需要が海外旅行手控えを誘引していること、さらには、中国、韓国への旅行需要が昨年は領土問題等で激減したが、それがまだ回復していない、といった複合的な理由だそうだ。
一方、国内旅行は好調で、ユニバーサルジャパンのハリー・ポッターブームで、関西への旅行者が増加し、富岡製糸場も多くの客を集めるものと予測されている。また、外国人の訪日旅行は、対前年比120%以上の急激な伸びを示している。(以上、日刊旅行通信を参照)
政治問題などの一時的な要因で減少するのは仕方ないし、訪日旅行が増えるのは大歓迎である。気がかりは「海外旅行から国内旅行へとシフトしている」と思われる点だ。もちろん、国内旅行がダメだなどという気はさらさらない。しかし、島国の日本が内向きになったら、ますますガラパゴス化するに違いない。もっと海外に行ってほしい。
「海外旅行へ行けるならどこでもいい」という時代はとっくに終わっているが、それでも「退職したら一番やってみたいことは海外旅行」という答えが一番多いという結果が、何処の調査でも出ているのにどうしてだろうか。
そんな中、先日の月曜日、新宿にある「レックスロード」という会社に航空券等を頼んだお客様から「お金を払ったのに航空券がとどかない」という苦情が消費者センターに寄せられ、確認したところ連絡が取れなくなっている。というニュースがテレビで流れた。
なんと、以前は旅行業の登録をしていたが現在は無登録。にも拘らず登録番号をそのまま使い、日本旅行業協会準会員とホームページでは謳っていたそうだ。日本旅行業協会に準会員という会員区分などないが協力会員がある。この会社は、以前、協力会員だったが、会費未納で退会処分になっている。
被害者は500人ほどだそうだが、無登録だから倒産時に備えた弁済補償の用意もないからお金は殆ど戻らないだろう。夏のピークを前に集めるだけ集めドロンした。無登録なのに旅行業を装いお客様を騙していた。明らかに詐欺行為である。当然、刑事事件になるだろう。
残念である。悪いやつはどこの世の中にもいるが、こんな形で旅行会社の信用が下がってしまうことにやり切れなさと憤りを感じる。99.99%の旅行会社はまじめにやっている。そのことをどうかご理解いただきたい。